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ジェームズ・W・エリソン 小説家を見つけたら [日記(2008)]


小説家を見つけたら (ソニー・マガジンズ文庫)

小説家を見つけたら (ソニー・マガジンズ文庫)

  • 作者: ジェームズ・W. エリソン
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: 文庫


 別に探していたわけではないのですが、偶然古本で見つけました。映画のノベライゼーションではなく原作です。
 言い方は悪いですが、スポーツと勉学に秀でたブロンクス育ちの少年がその才能で成り上がってゆく(社会の階層を上昇してゆく)物語です。その過程に、彼の才能を愛する隠棲した小説家が大きく関わり、小説家は少年を助けることによって逆に救済されると云う物語でもあります。

 スポーツ(バスケット)の才能は練習や試合での彼の動きを描写することでそれなりに描かれていま。もう一つの才能である作文能力は、登場人物によって『群を抜いている』と発言されるだけで、何がどう秀でているのか説得力がありません。映画で描ききれなかったこの点が、小説でどう扱われるのか興味があったのですがもうひとつ分かりません。

 少年が成り上がってゆく前半は退屈です。ジュリアン・ソレルの様に悪でもなく、スポーツと勉学に秀で、父親はいないものの暖かい家族と聡明な恋人に恵まれ、おまけに有名小説家の信頼まで勝ち得るのですから出来過ぎています。こんな高校生がいるのでしょうか。ショーン・コネリーの魅力で見せる映画の方がはるに説得力に富みます。
 映画もそうですが、ブロンクス出身の黒人として差別を受けそれを克服してゆく姿が見せ場です。主人公が高校生と云う偏見で云うのですが、どうもジュヴナル小説ではないでしょうか。
 多少の相違はありますが、映画は小説を忠実にたどったものです。ほぼ小説通りと云っていいと思います。小説の方が面白い映画、映画の方が面白い小説、映画と小説とは全くの別物、と三つあると思うのですが。小説=映画はめずらしいかも知れません。まぁショーン・コネリーが出ているだけ映画に分があるのではないでしょうか。
★★

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