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映画 ダヴィンチ・コード(2006年米) [日記(2008)]


ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション

ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


 ダン・ブラウンのベストセラー『ダヴィンチ・コード』の映画化です。原作はそれほど面白いとは思わなかったのですが、トム・ハンクス、イアン・マッケラン、ジャン・レノが現れ、ルーブルの名画やウェストミンスター寺院の映像とともに謎が進むと物語にリアリティーが出てきて面白いですね。個人的には原作より面白かったです。私の廻りでも、原作を読んだ人の評判はいいのですが、原作を読まなかった人もう一つ楽しめなかった様です。
 キリスト教が生活に根付いていない我々には、この小説の意味がもう一つピンと来ず、歴史ミステリーとして読んでしまいますが、キーワードは『マグダラのマリア』と『聖杯伝説』です。
 ルーヴル美術館長ソニエールが館内で殺されるところから映画は始まります。ソニエールは自ら全裸でダ・ヴィンチの『ウィトゥルウィウス的人体図』を模し、殺人はダ・ヴィンチに関わる事を暗示します。探偵は宗教図像学者のラングドン教授(トム・ハンクス)とフランス司法警察・暗号解読官ソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)。ソフィーはルーヴル美術館長ソニエールの孫と云う設定です。ソニエールはルーブルにラングトンとソフィーを呼び寄せ、モナリザの絵の壁に暗号のメッセージを残し、岩窟の聖母の絵の裏にキーを残します。

 もうひとつの流れが、ソニエールを殺したシラスです。シラスもまた聖杯を探すオプス・デイの修道士で、聖杯のありかを聞き出すためにシオン修道会の総長のソニエールを殺したというわけです。聖杯をめぐってシオン修道会vs.オプス・デイ(背後にヴァチカン)の争いがあり、ラングトンとソフィーはこれに巻き込まれてゆきます。

 このふたりに聖杯伝説を研究するリー・ティービング(イアン・マッケラン)が加わり、ダ・ヴィンチ→最後の晩餐→聖杯伝説→マグダラのマリアという図式が明らかになります。CGを使って最後の晩餐を解説してくれます。さらにマグダラのマリアはキリストの妻でありキリスト磔刑の時には身ごもっており、その後フランスに逃れて女の子を産んだというのです。ラングトンとティービングのニケーア公会議の論議もこの映画の重要な場面なのですが、煩雑です。

 キリスト教の総本山であるヴァチカンにとって、イエスが妻子を持った人間であることは、イエスを神とする教義の否定につながります。ましてイエスのDNAを持った子孫が現在に生きていることは、その権威と組織そのものの存在を揺るがす脅威となります。ヴァチカンは、イエスの妻『マグダラのマリア』を否定し、その子孫を葬るために動きます。一方、『マグダラのマリア』を守る一派もあり、これがシオン修道会というわけです。

 歴史と現実が幾重にも絡み合って、映画化も小説同様にプロットは複雑です。謎は、キリストの血脈が現在も続いていると云う仮説をもとに、聖杯=マグダラのマリア=その家系に生まれた現在のマリアにあります。

『ダヴィンチ・コード』のHPはたくさんあるので、そちらで勉強して頂くとして、備忘録として少し。
◆『マグダラのマリア』とは何者なのか?
 1.マグダラのマリアは、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの各福音書に登場する。
 2.イエスによって病を癒された。
 3.イエスの磔刑の現場に立ち会いその埋葬を見届けた。
 4.彼女はイエスの復活を弟子たちに告げるために、イエスによって使わされた。
 5.19世紀になって、『マグダラのマリアによる福音書』が発見された。

20世紀になって発見された『フィリポによる福音書』によると、
 1.イエスは3人の女性を連れていた。母マリヤと彼女の姉妹と彼女である。
 2.イエスは他の弟子たちのなかで彼女を一番愛していた。
 3.イエスはしばしば彼女に接吻した。 (2、3は『マグダラのマリアによる福音書』の記述)

◆聖杯伝説
聖杯とは、磔刑にされた際キリストの血を受けた杯、または最後の晩餐で使われた杯を指し、聖杯は様々な奇跡をもたらすという言い伝えがある。『ダヴィンチ・コード』では、聖杯は『マグダラのマリア』の子宮すなわち『イエスの血脈』とされる。

◆シオン修道会
キリスと教の秘密結社だそうで、冒頭で殺されるルーヴル美術館長ソニエールもシオン修道会の総長という設定になっています。シオンを殺したのがシラスで、彼はアリンガローサの指令で動き、アリンガローサはバチカンから金を受け取っていますから、 シオン修道会VS.バチカン という構図が成り立ちます。シオン修道会の歴代総長には、ダ・ヴィンチ、ニュートン、ヴィクトル・ユーゴなどがいたと云う設定です。

監督:ロン・ハワード
トム・ハンクス
オドレイ・トトゥ
イアン・マッケラン
ポール・ベタニー
アルフレッド・モリーナ
ジャン・レノ
ユルゲン・プロホノフ
ダヴィンチ人体図.jpg 最後の晩餐.jpg
 ウィトゥルウィウス的人体図     最後の晩餐(左がマグダラのマリア?)

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