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電子書籍あれこれ (3) インターネットは本を殺すのか? [日記(2009)]

 Kindleが売れているようで、11月の販売はレコード更新の様です。nookは予約殺到で販売延期、Sonyもシェア40%をうかがう勢いで、当然日本でのリベンジも視野に入っています。キンドルはkindle for PCをリリースし、ファームウェアのバージョンアップでネイティブのPDFが読め、バッテリー駆動時間を強化しています。日本語Kindleの発売も近いという噂もチラホラ。一方、Googleはグーグルエディションを英語圏で10年春にも開始予定、約半年遅れで日本に導入する様です。開始時点で最大1万冊をそろえる計画とか。

 Amazon、Sony、Google 三つどもえのe-book戦争が始まり、2010年は電子書籍元年になることは間違いありません。

 佐野眞一の『誰が本を殺すのか』というノンフィクションがあります。再販制度と委託販売にあぐらをかいた出版業界の制度疲労を鋭く分析した好著です。kindleの出現は、一気に出版業界にくさびを打ち込んだようです。
検索をかけているうちに、面白い記事に出会いました。『週刊ダイヤモンド』のサイトです。

インターネットは本を殺すのか?】村瀬拓男(弁護士)
筆者の主張を整理すると、

赤字覚悟のビジネスモデル?
・米国では、ハードカバー価格が20ドル台であるのに対して、キンドルキンドルの電子書籍は9ドル99セントというである。
・この価格は現在のところアマゾンの負担によって実現しているらしい。
・アマゾンはキンドルのコンテンツを売れば売るほど赤字となる。
・米国では、キンドルのほかソニーとバーンズ&ノーブル(nook)が市場に投入され、顧客争いる。
・各サイトの電子書籍価格は、多くが9ドル99セントで横並びとなっている。

電子書籍は独禁法の適用除外にならない
・日本の出版流通市場は再販制度と委託販売制度が存在する。
・再販制度においては、小売価格の決定権は出版社にある。
・電子書籍は独禁法21条による適用除外となる。
・再販制度についても、公正取引委員会は適用除外の対象を限定的に捉えており、電子書籍は適用除外の対象ではないと考えている。
・電子書籍の価格は配信を行うコンテンツ・プロバイダがその決定権を持つ。
・アマゾンがキンドル日本語版を投入するときは、電子書籍の価格はアマゾンが決めようとする。
・新本、古本と同列に電子書籍を置いたのが今の「キンドル」モデルと言える。

価格決定権は出版社の手を離れる
・日本の出版社は再販制度と委託販売制度の傘の下で、売りたい本を売りたい値段で市場に投入してきた。
・本の流通は川上からの垂直統合することができたのです。
・電子書籍については、価格決定権はアマゾンに移る可能性がある。
・日本の出版社かつて体験することがなかった状況下で、各出版社は電子書籍を自らの出版活動の中でどのように位置づけ、どのような価格政策を採用していくのか、を考えなければならない。

 出版業界に警鐘を鳴らす形で終わっていますが、タイトル『インターネットは本を殺すのか?』は反語ですね。インターネットは死にかけた本を見事に生き返らせてくれることと思います。


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