SSブログ

映画 フレンジー(1972英) [日記(2010)]

フレンジー [DVD] 低迷していたヒッチコック復活の作品と言うことですが、どこが?と突っ込みたくなります。猟奇殺人とその犯人にされた男の物語です。犯人は最初から知らされているし、殺人も洗練されていないし、無実の罪を着せられる恐怖というのもあまり感じられず、オチがあるようで無い、とまぁ不満だらけなのですが、これがけっこうオモシロイ。

 ブレイニー(ジョン・フィンチ)という元少佐まで勤めたバーテンダーが主人公。何故元少佐なのかは不明で、当時の英国病の揶揄かとも思うのですが、実のところは?。このブレイニーが酒場を首になって、行くところがなく別れた奥さんに会いに行きます。奥さんは結婚紹介所をやっていて景気がいいわけで、この元旦那を親切にも食事に誘い小遣いまで与えます。ブレイニーはプライドが邪魔して素直になれず元奥さんに喧嘩をふっかけたりします。

 この元奥さんがレイプ殺人の被害者となり、殺害時刻に現場を去る姿を目撃されていて逮捕されます。犯人はブレイニーの友人で、元奥さんの経営する結婚紹介所の客。マゾヒストの相手を紹介しろと申し込んでいるのですが、そんな相手は現れる筈もなくこの元奥さんを毒牙にかけるわけです。 何が毒牙かと言うと、レイプしてネクタイで絞め殺すことに満足を覚えるという異常者なわけです。この殺人シーンが怖いかというと少しも怖くない。ネクタイで絞め殺すレイプ殺人は、公開当時は刺激的な設定だったかも知れませんが、何でもありの現代ではね、と言うことです。<br />
 ここで40年経っても少しも古びず、真実であり続けるのが、女の『
』と夫婦という奇妙な『関係』です。
 主人公を捕まえる警部とその奥さんが登場します。なかなか家庭的な警部で、帰宅して奥さんに事件の話なんかをするんですが、この奥さんが刑事の旦那顔負けの推理をします。主人公は犯人ではない。10年も一緒に暮らした元妻を、レイプ殺人するわけがないと。私たちは結婚して8年よ、ベットに入るとバタンキューね・・・。何がバタンキューなのか?ですが見ている方は笑うしかありません。この奥さんが現在夢中になっているのがフランス料理。警部はわけのわからない料理を食べさせられ、不味いとも言えず奥さんが立ったすきに中身を戻したり、えらく苦労します。
 このシーンは『フレンジー』の白眉です(笑。

 どこがヒッチコックのサスペンスなんだと言われても困りますが、1972年という時代を考えると、これはこれでヒッチコックかもしれません・・・苦しい(^^;)。

監督・制作:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョン・フィンチ バリー・フォスター

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 2

syun

『ネクタイで女性を絞殺する』っていうのは、やっぱり性的コンプの現れなのかな?と推理してみたりする。
by syun (2010-12-25 15:46) 

べっちゃん

深層の真相は謎です(笑。
by べっちゃん (2010-12-25 19:36) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0