読書 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト MORSE-モールス- [日記(2011)]
英語の原題(原作はスェーデン)はLet me in(私を中に入れて)。私を中に入れてがどうしてモールスになったかと云うと、主人公の少年オスカルとヴァンパイアの少女エリが、壁越しにモールス符号で連絡を取り合う事から来ています。映画化されていて英語のタイトルはLet the Right One In、邦題は「ぼくのエリ 200歳の少女」。
ヴァンパイアは許可が無いと人間の居る部屋に入ることが出来ないため、「私を中に入れて」というわけです。モールス信号がストーリー上の重要な小道具ともなっていませんから、邦題の「モールス」というのは意味が無いような(リメイクの映画の邦題も「モールス」)。
吸血鬼小説は、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の後いろいろなヴァリエーションが作られていますが、本書もこの範疇のひとつ。サブストーリーは盛り沢山ですが、200歳の少女の姿の吸血鬼と少年のラブ・ロマンスです。
ちょっと今風なのは、少年がイジメの対象となっていること。吸血鬼エリと知り合うことで、豚の鳴き真似をさせられ暴力を振るわれる屈辱的な立場を次第に克服して行きます。ゾンビと化した吸血鬼との闘い、人間の自然発火などのシーンも散りばめられそれなりのホラーに仕上がっていますが、最後までノレませんでした。原作のスェーデン語 ⇒英語 ⇒日本語訳が原因なのかどうか、訳文は趣味に合いません。
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