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映画 チェ 28歳の革命(2008米仏西) [日記(2013)]

チェ ダブルパック (「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」) [DVD]
 チェ・ゲバラの伝記映画です。「グラマン号」によるキューバ上陸(1956)からハバナ制圧(1959)までを描いています。ボリビアで暗殺(1967)されるまでを描いた第二部『チェ 39歳 別れの手紙』があるようです。

 「革命」という言葉は、ITとセットでしか使われなくなった21世紀に、何故ゲバラなんでしょう。ゲバラの肖像がプリントされたTシャツがありましたが、かつてゲバラは革命のカリスマで、世界中の若者に圧倒的支持を受けていました。何故支持されたかと云うと、政治の世界に身を置かず武装革命一筋だったこと、キューバ革命成功後、新たな革命を求めて中南米ボリビアに渡り39才で暗殺されていることでしょう。夭逝した革命家、これが人気の秘密だと思います。

 映画は、そんなゲバラの武装革命を、どちらかと云うと淡々と描きます。ジャーナリストのインタビューや国連での演説など革命成功後の映像がモノクロで挟まれ、軍事行動中のゲバラはカラーで描かれるというドキュメンタリー・タッチの作りです。このモノクロ映像が本物のゲバラであれば言うことはありませんが、ベニチオ・デル・トロによるこれもドラマです。

 備忘録としてのゲバラの簡単な年譜です(ウィキペディア)

1928年:アルゼンチンで誕生
1948年:ブエノスアイレス大学医学部に入学
1951年:オートバイで南米をまわる(モーターサイクル・ダイアリーズ)
1954年:メキシコに亡命
1956年:フィデル・カストロと出会いグランマ号でキューバに上陸
1957年:シエラマエストラ宣言
1958年:サンタ・クララ攻防戦
1959年:バティスタ政権を倒しキューバ革命成功
1964年:国際連合総会で『祖国か、死か!』の演説がなされる
1965年:アフリカ各地を歴訪し、コンゴ動乱に参加。カストロ、ゲバラの「別れの手紙」を発表
1966年:ボリビア潜入
1967年:ボリビア軍により逮捕され処刑

 『チェ 28歳の革命』は、ゲバラの39歳の生涯のうち1956年~1958年の約2年間を描いたものです。カストロと出会い、キューバ上陸を果たした後からストーリーは始まります。グラマン号によって上陸を果たした82名は、政府軍との戦闘でわずか12名となり(十二使徒?)マエストラ山に逃げ込みます。マエストラ山に革命拠点を設け、兵士を養成し、陣容を整えて政府軍と対峙します。武器は小銃、機関銃、せいぜいバズーカ砲を使ったゲリラ戦です。アメリカの後押しを受ける政府軍は航空機、戦車を繰り出してゲリラの殲滅を図りますが、山岳地帯ではゲリラが優勢。住民の支援を受けて、徐々に勢力を拡大して行きます。小銃でジェット機と闘ったベトナム解放戦線を連想します。
 兵士の脱落、裏切りなどゲリラの人間臭い面も含めたゲバラのゲリラ戦が描かれ、1957年の映像に1964年の国連演説や記者インタビューが挿入され、進行中の戦いが解説されます。「革命家にとって一番大事なものは」という記者の質問に「愛」と答える有名なエピソードや、国連演説の「祖国か死か!」も当然に描かれます。

 サンタクララの攻防戦に勝利し、明日はハバナというシーンで映画の第一部は終わります。
 戦闘場面も派手なシーンに慣れているので物足りません。ゲバラにしても、もっと劇的で英雄的に描かれるのかと思ったのですが、これもけっこう地味。ラストシーンで、スポーツカーを勝手に乗り回してハバナに進軍する兵士に「返して来い!」と怒鳴るんですが、笑います。作る方は、ゲバラと革命の純粋さを言いたかったんでしょうね。

 正直、あまり面白くはありません。第二部『チェ 39歳 別れの手紙』を見てから判断します。

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ベニチオ・デル・トロ

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