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亀山郁夫 新カラマーゾフの兄弟 (上) [日記(2016)]

新カラマーゾフの兄弟 上(上・下2巻)
カラマーゾフ.jpg
 新訳 『カラマーゾフの兄弟』でブームを巻き起こした亀山郁夫が、舞台を日本に移し新たなカラマーゾフを書いた、それも小説ですから驚きます。亀山郁夫は元東京外大の学長で、ロシア文学者ですが、学者センセイが小説書いていいの?とも思います(悪くはないですが)。2013年に退官していますから、満を期しての発表のような気がします。
 ともあれ、あのミーチャ、イワン、アリョーシャのカラマーゾフ三兄弟+スメルジャコフが、1995年の日本を舞台に活躍?するわけですから、これは楽しいです。
 冒頭から亀山センセイ御自らご登場です。

 九五年、わが国は、戦後の長い歴史における節目ともいうべき二つの事件に遭遇した。一つは、一月の中旬に起きた震災であり、二つめは、それから二カ月後の三月に起きた地下鉄テロ事件である。この二つの事件によって、わが国は、社会的にも精神的にも大きな打撃を蒙り、劇的ともいえる変貌を経験するにいたった・・・
 わが国の戦後史におけるいわゆる「転換点」は、まさにこの九五年に刻まれたといって少しも過言ではないのである。

神戸の大震災とオウムが絡んでくるわけです。『カラマーゾフ』といえばキリスト教、宗教の希薄な風土ですから、代わりに新興宗教を持ち込もというわけです。おまけに、

 エピローグ付き全四部という形式をもつこの小説が、内容的にじつは二つの小説からなっており、しかもそれらが一種のパラレルワールドともいうべき世界を構築している
それら二つの小説とは、──。  
一「Kの手記」──Kという人物の日常を描いた第一の小説
二「黒木家の兄弟」──黒木リョウを中心としたある家族をめぐる第二の小説である。

パラレルワールドまで繰り出すとは!、さらに

こう見えても、この長大な物語はれっきとしたミステリーの形式をなしており...

ミステリーと来ました。どこがミステリかというと、「父親殺し」。『カラマーゾフ』を読んでいれば、誰が犯人か分かっていますから、 ミステリの形式をとりつつ、父殺しを掘り下げることが、この小説のポイントだと思われます。 
 感想は下巻を読んでから。 →下巻

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