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映画 アンタッチャブル(1987米) [日記(2016)]

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 禁酒法の時代、”ご存知”財務省の調査官エリオット・ネスとこれも有名なシカゴのギャング、アル・カポネの攻防を描いたものです。禁酒法という今から考えればとんでもない法律が施行されます。人類の歴史とともに古くからある酒を法律で禁じるというのですから、アメリカという国は(アメリカだけでもないですが)面白い国です。この禁酒法が守られたかいうと、どうもそんなことはないようです。当然、密造酒が作られ、禁酒法の無いカナダからの密輸入が横行し、モグリの酒場が繁盛するということだったようです。
 街のチンピラからマフィアまで酒の密輸入に血道をあげ、これを取り締まるのが財務省の酒類取締局。密造酒を摘発する(つまり酒税)のが任務だったので財務省なんでしょう。

 で、エリオット・ネスvs.アルカポネの構図が出来上がるわけですが、禁酒法というピューリタリズムの権化に踊らされたのがこの二人、と云えば言えます。

 エリオット・ネス( ケヴィン・コスナー )がシカゴ警察の老警官(ショーン・コネリー)と警官の卵を引き抜き、これに財務省の会計士が加わった4人がカポネを追い詰め刑務所にブチ込みます。いずれもプロフェッショナルで「シカゴの4人」ということで、刑事モノでよくあるパターンです。ショーン・コネリー演じる、出世から取り残された、人間と警察組織の裏を知り抜いた老警官も定番です。日本の刑事物で言えば、藤田まこと、いかりや長介、大滝秀治というところ。
 派手な銃撃戦もあり殺し屋も登場しますが、見どころは、ヒーローはエリオット・ネスばかりではなくこの5人のチームプレイです。老刑事は人脈を使って情報を取り、若い警官は得意の銃撃で貢献し、会計士はカポネを脱税で追い詰めます。
 そう、アル・カポネのロバート・デ・ニーロも忘れてはいけません。アル・カポネを演じるため、体重を増やして額を広げるために頭髪まで抜いたという俳優根性は立派。主役じゃないです、脇役です。
 アクションの要は、シカゴ駅の階段でカポネの会計士を逮捕するシーンです。ネスと、ボディーガードを連れて現れた会計士の間に、 ベビーカーを押して階段を登る若い母親が現れます。銃撃戦から母子を守り、ボディーガードを射殺して如何に会計士を逮捕するか?。アンディ・ガルシアの超絶技巧が冴えます。このシーンは、1987年のアクションとしては絶品ではないかと思います。
アンタッチャブル2.jpg アンタッチャブル.jpg
 古い映画ですがなかなか面白い。ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロの豪華配役に、アンディ・ガルシア(オーシャンズ11)、チャールズ・マーティン・スミス(アメリカン・グラフィティ)という脇役。ケヴィン・コスナーは、最近話題になりませんがかつては『ダンス・オブ・ウルブルズ』『フィールド・オブ・ドリームズ』『JFK』『13デイズ』などに主演したかつての大スターです。

 禁酒法という人騒がせな法律は、1920年~1933年と13年間続き、「狂騒の20年代」と呼ばれる時代と重なっています。1918年に第一次世界大戦が終結し、アメリカは、1920年代に入ると大量消費とマスメディアの隆盛によって享楽的な都市文化が花開きます。ジャズエイジの到来です。街にはT型フォードが走り、フラッパーが闊歩し、普及したラジオからはジャズが流れダンスホールにはチャールストンを踊る男女で溢れかえるという時代です。1929年には世界恐慌が起こり、1939年からはWWⅡが始まりますから、束の間の繁栄です。徒花のような時代だからこそ、徒花のような禁酒法が施行されたのかも知れません。ラストで、酒類取締局を去るエリオット・ネスに新聞記者が聞きます、禁酒法が撤回されるとか →ネスの答えは「いっぱい飲むさ」。

監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:ケヴィン・コスナー ショーン・コネリー ロバート・デ・ニーロ アンディ・ガルシア チャールズ・マーティン・スミス

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