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映画 北のカナリアたち(2012日) [日記(2016)]

北のカナリアたち [DVD]往復書簡 (幻冬舎文庫)
  図書館職員を定年で迎えた”はる”(吉永小百合)は、突然刑事の訪問を受けます。刑事は、20年前にはるが離島の小学校で教えた信人(森山未來)が殺人事件を起こしたことを伝え、信人の行方を質します。はるは離島を訪れ、かつての分教場の教え子を訪ね事件の背景を探りますが、それは、はるが教師を辞め離島を去らねばならなかった自分の過去と向き合う旅でもあったのです。

はる(吉永小百合)
 病気の夫と共に故郷の北海道の離島に帰り、生徒6人の小さな分校の教師となる。はるは子供達に歌を教え合唱コンクール出場を目指す。生徒のひとり結花が入水自殺を図り、助けに行ったはるの夫が波にのまれて死亡。その時はるは男と密会し現場にいなかったことが知れ、学校を去る。
 20年後、はるは教え子のひとりが起こした殺人事件の謎を知るため、5人の元教え子を訪ねる。

   《6羽のカナリヤ》
信人(森山未來)
 吃音のため内向的な信人は、はるに歌うことの楽しさを教えられ生き甲斐を見出す。東京に出た信人は吃音のため職を転々とし、20年後殺人事件を起こし逃亡、故郷の島に帰り潜伏する。信人ははると男の密会を目撃し、はるに愛憎の入り混じった感情を抱くが、自身が愛する人と出会ってから、はるへの憎しみは消える。

結花(宮﨑あおい)
 札幌の保育園の保母。その美声によって分校の合唱団ではリードボーカルをつとめるが、母親が飲み屋を開いていることを直樹になじられ、それが原因で声が出なくなる。結花は仕返しのため狂言自殺を企てるが、誤って海に落ち、助けにに来たはるの夫は溺死する。はると男の噂を島中に流したのは自分の母親であり、はるが島を去った原因は自分にあると思い込んでいる。

真奈美(満島ひかり)
 声の出なくなった結花に代わりリードボーカルとなる。結花の自殺はそれが原因であると考え、はるの夫の溺死の原因は自分にあると思い込んでいる。

直樹(勝地涼)
 苦学して大学を卒業し札幌の企業に就職するが倒産し、サハリンでの起業を目指している。貧乏の原因が、父親の入り浸る結花の母親の飲み屋であると考え、結花をなじる。結花が自殺を企て、はるの夫が溺死した原因は自分にあると思っている。

七重(小池栄子)
 稚内の造船所で溶接工として働いている。結花の自殺事件の日、はると男の密会を目撃する。東京で結婚するという幸せそうな信人と再会する。はるの不倫の噂を村に広め、はるが島を去った原因は自分にあると悔やんでいる。

勇(松田龍平)
 島の駐在所の巡査。医者の息子で恵まれた環境にあるが勉強が出来ずコンプレックスを持っている。吃音の信人をイジメて発散している。故郷の島で信人を保護しようとして、信人は灯台に逃れる途中梯子を踏み外し転落し意識不明の重体となる。
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 小学生のカナリヤとはる先生
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 20年後のカナリヤとはる
 
 おとなしい信人が何故殺人を犯したのか、はるの過去とは如何なるものなのか。20年前の過去をたどるミステリアスな現代版『二十四の瞳』です。
 二十年後の宿題とは、はるが6人の教え子に出した、カナリヤは何故歌を忘れたのかという宿題を指しています。信人を東京に護送する刑事が、オレも歌を忘れてしまったと呟きますが、これはまた観客の呟きでもあります。湊かなえ『往復書簡』の「二十年後の宿題」が原案だそうですが、良くできています。
 吉永小百合の不倫が一番気になります。不倫だったのか?、密会に過ぎなかったのか?、映画では明らかではありませんが、その動機も泣かせます。

監督:阪本順治
出演:吉永小百合 森山未來 満島ひかり 勝地涼 宮﨑あおい 小池栄子 松田龍平 

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