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映画 JSA(2000韓) [日記(2018)]

JSA [DVD]  JSA(JSA, Joint Security Area)とは、韓国軍と北朝鮮軍が警備する共同警備区域、38度線にある板門店のことです。

 この板門店で軍事衝突が勃発します。軍事境界線にかかる「帰らざる橋」を渡って韓国軍兵士が南に逃れ、北の監視所にはふたつの北朝鮮軍兵士の死体と重傷を負った兵士が残されていました。韓国側は北に拉致された兵士が脱出したのだと主張し、北朝鮮側は韓国軍兵士が襲って来たと主張します。両国は中立国監視委員会に真相究明を委ね、スイス軍少佐ソフィー(イ・ヨンエ)が調査に乗り出します。

【韓国軍兵士】
 ・スヒョク(イ・ビョンホン)→橋を渡って北から逃亡、足を撃たれている
 ・ソンシク→同じく橋を渡って北から逃亡(調査の時点ではソンシクの存在は分かっていない)
【北朝鮮軍兵士】
 ・ギョンピル(ソン・ガンホ)→北の監視所で銃で撃たれ重傷
 ・ウジン→北の監視所で銃殺される
 ・将校→同じく北の監視所で銃殺される

 何故スヒョクは北から逃れて来たのか?、ウジンと将校、ギョンピルの3人は誰に何故撃たれたのか?。映画は、ミステリ仕立てで民族の分断を描きます。

 スヒョクの語る事件の真相とは 、
 事件の前日譚があります。スヒョクはパトロールの途中過って国境を越え、地雷原に踏み込んだところをギョンピルに助けられます。この出会いでふたりは親しくなり、スヒョクはソンシクとギョンピルを北の監視所を「訪問」し、韓国軍兵士スヒョクとソンシク、北朝鮮軍兵士ギョンピルとウジンは意気投合します。韓国、北朝鮮という政治の垣根を取り払えば、同じ民族の同世代の若者ですから何の不思議もありません。恋人の写真を見せ合い酒盛りとなります。
 ウジンの誕生祝いの酒盛りが、監視所を訪れた北朝鮮軍の将校によって発見されます。臨戦態勢にある南北朝鮮の兵士が酒盛りをしていたのですから、ギョンピルとウジンは反逆罪、スヒョクとソンシクはスパイ容疑で処刑。ギョンピルは亡命の相談していたのだとふたりをかばいます。拳銃を向け合う緊迫した状況で、

 ・スヒョクが将校を撃ち
 ・ウジンはスヒョンの足を撃ち
 ・動転したソンシクはウジンを撃ち
 ・ギョンピルはソンシクから銃を奪い、将校を撃ち
 ・ギョンピルは、ソンシクの拳銃の指紋を拭き取ってスヒョンに渡し、拉致されたことにしろと言います。ソンシクにはこの場にいなかったことにしてふたりを逃がす
 ・ギョンピルは、別れ際にスヒョンに自分を撃たせる

 と言うものだったのです。ギリギリの局面においても、ギョンピルはスヒョクを裏切らなかったわけです。この後、スヒョクはギョンピルの安全と引き換えにソフィーに真実を伝え自殺。ソフィーは中立国監視委員を罷免されます。

 『JSA』は韓国で600万人近い観客を動員し、大ヒットとなります。『シュリ』のヒットを重ね合わせると、政治によって分断された韓国国民(北朝鮮人民と言っていいかも知れません)の底に流れる本音が見えてきそうです。
 現在、韓国は慰安婦問題と平昌オリンピックで揺れています。日本大使館前に建てられた慰安婦像の前でシュプレヒコールをあげる群衆や、外交ルールを無視する韓国政府の対応、「平壌オリンピック」と揶揄される韓国政府の妥協、これが韓国と韓国人の姿なのかどうか。政治が絡むと建前が本音を越えてしまうのではないか、物言わぬ庶民はもっと別のところにいるんではないか、これが映画を見た正直な思いです。

監督:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン ソン・ガンホ イ・ヨンエ シン・ハギュン

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