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トレヴェニアン アイガーサンクション [日記(2005)]


トレヴェニアン アイガーサンクション 河出文庫★★★★
 主人公は芸術学部教授で美術批評家で鑑定家で登山家にしてCIAとおぼしき情報機関から暗殺を請け負う殺し屋。ロングアイランドにある教会を改修した大邸宅にひとり住み、地下室には印象派の絵画コレクションを持つ。この主人公ジョナサン・ヘムロックに暗殺を依頼する情報機関の長ドラゴンは、半年に一度全身の血液を入れ替えなければならない、石膏の肌と赤い眼を持つ先天的色素欠乏症のアルビノ。
 この配役だけで十分魅力的であり、加えて植物に偏執的なサディズムを抱く庭師、ヘムロックを口説く24歳の大富豪の処女、好意をよせる黒人スチュワーデスなど魅力的な脇役まで揃っている。
さらに、暗殺の舞台がアイガー北壁。アメリカ人、ドイツ人、フランス人、オーストリア人の国際登山チームの中から標的を探し出し、アイガー北壁で暗殺を行わねばならない・・・後は読んでのお楽しみ。
 1972年の初版だから30年以上前の作品であるが第1級のエンターテイメント、今でも十分楽しめる。特に多彩な登場人物のウィットに富んだ会話が秀逸。訳も、古風な表現はあるがこなれていて読みやすい。これも100円で入手したが、1000円の価値は十分ある。


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