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映画 アメリカン・ギャングスター(2007年米) [日記(2009)]

アメリカン・ギャングスター [DVD]

アメリカン・ギャングスター [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD

 リドリー・スコットの作品と云うだけで観ましたが、見応えがありました。アメリカのマフィアを描いた映画は『ゴッドファーザー』が有名ですが、麻薬の世界で成り上がり、アメリカン・ドリームを掴もうとした男の物語をリドリー・スコットが見事に描いています。実話だそうです。


 時代は、ベトナム戦争が泥沼化する1960年代の終わりから、撤退する1973年を舞台にしています。マーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたのが1968年、アメリカ社会が公民権運動からベトナム反戦運動で揺れた時代でもあったわけです。この辺りを、リドリース・コットはかなり意識しています。(たぶん)ラオスからベトナム経由、米軍の輸送機でアメリカ本土に運ばれるのですからベトナム戦争は重要なkeyワードですが、それ以外にもシーンの隅にベトナム戦争の様子やニクソン大統領を映すTVが巧みに配され、時代を映しています。

 この時代を背景に、黒人フランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は、純度100%で末端価格が半額の産地直取引の麻薬で勢力を築き上げます。この『産地直輸入』、『良い品をより安く』が如何にもアメリカ的ですね。フランクの商品にシェアを奪われたイタリヤ・マフィアが、おまえは従来の流通に携わる人々の職を奪っている、とフランクに文句を付けまが、笑ってしまいます。フランクの麻薬の袋には『ブルーマジック』と印刷されています。彼から麻薬を買い純度を落として販売する仲買人にフランクは云います、ブルーマジックは『ブランドだ!』、なるほど。

 このフランクに、ニュージャージーの麻薬捜査官リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)が絡みます。このリッチーの造形もなかなか面白いです。捜査で見つけた100万ドルの現金をネコババせず署に持って帰り、同僚からボーイスカウトと呼ばれ、それが出世にも悪影響を及ぼしているという変わり者。夜間大学か何かに行って違法試験を目指している一方、仕事にのめり込みすぎて離婚され、親権者の訴訟をやっている始末。

 この公私とも落ちこぼれのリッチーと、麻薬取引とは云えアメリカンドリームの体現者フランクの、男のドラマです。お薦め!

監督:リドリー・スコット
キャスト:
デンゼル・ワシントン
ラッセル・クロウ
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