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映画 ワイルド・バンチ (1969米) [日記(2009)]

ディレクターズカット ワイルドバンチ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD








 クリント・イーストウッドの『許されざる者』が「最後の西部劇」と言われるそうですが、こっちが本家本元の「最後の西部劇」だそうです(Wikipedia)。原題はThe Wild Bunch、群盗です。監督がサム・ペキンパー、出演者にウィリアム・ホールデン、ロバート・ライアンですから古い!3人とも故人です。

 パンチョ・ビリャの名前が登場しますから1910年代のテキサス及びメキシコが舞台です。マカロニウェスタンの走り『荒野の用心棒』が制作されたのが1964年ですから、メキシコを舞台とした西部劇としてはその影響があるのでしょう。
 冒頭、騎兵隊が銀行(正確には鉄道の事務所)を襲います。?と思っていると、建物の屋上から一群の男たちが騎兵隊を狙撃し、また?です。騎兵隊に化けた強盗団が、銀が運び込まれるという情報をもとに事務所を襲い、偽の情報を流した鉄道会社側が待ち伏せしていた、というのが筋書きです。強盗団のリーダーがウィリアム・ホールデン(パイク)、待ち伏せしていた一味のリーダーがロバート・ライアン(ソーントン)。二人は元友人で、ソーントンは釈放を条件に囚人仲間を引き連れてこの待ち伏せに加わったという、とんでもないスタートです。さすがはサム・ペキンパー、銃撃シーンは今日でも十分通用する迫力です。

 パイクたちは、襲撃に成功しメキシコに逃げ込みますが、偽物を掴まされたわけです。もう歳だから一発大きいのをやって引退しよう、というパイクの目論見が見事に外れてしまいます。中年を過ぎたウィリアム・ホールデンにしろアーネスト・ボーグナイン(ダッチ)にしろ、とてもヒーローとは言えません。ソーントン達の追っ手を逃れて逃げ込んだのが、マパッチ将軍の砦。メキシコ革命の最中ですから群雄割拠、マパッチ将軍はパンチョ・ビリャと戦っています。西部劇に付き物のアパッチの語呂合わせかどうか知りませんが、このマパッチ将軍が悪役です。この将軍、革命(という言葉は出てきませんが)をいいことに酒池肉林(多分私服も肥やしていますねぇ)もう何でもありの悪代官です。

 パンチョ・ビリャとの戦いに武器弾薬が不足するマパッチ将軍は、パイク達に米軍の銃器略奪を持ちかけます。ここから映画は第二段階に突入・・・。

 まぁ後は見てのお楽しみですが、スローモーションを使った最後の銃撃戦シーンは、映画史に残る名場面らしいです。CGのアクションに麻痺した感性には、1969年制作ですからこんなもんかも知れませんが、、当時は凄かったのでしょう。
 マパッチ将軍に捕まった仲間を救いに砦に向かうシーンは道行ですね。東映任侠映画で(高倉)健さんが長ドス掴んで悪親分のところに向かうシーンと一緒です。東映と異なるのは、激しい銃撃戦の果てに全員殺されてしまうことです(健さんは必ず生き残ります)。アンチヒーローがヒーローで、最後は無残に死んでゆく、アメリカンニューシネマを地で行った結末です。

 パイクとダッチは死に、ここまで追ってきたソーントンは目的を失ってパイク一味のただ一人の生き残りに誘われて、インディアンとともにメキシコ革命に参加しようとする、ここに西部劇は終焉します。『俺たちに明日はない』は若者の物語でしたが、こちらはオジサン達の『俺たちに明日はない』です。

監督:サム・ペキンパー
出演:
ウィリアム・ホールデン
アーネスト・ボーグナイン
ロバート・ライアン
エドモンド・オブライエン
ウォーレン・オーツ
ベン・ジョンソン


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