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映画 ロング・エンゲージメント(2004仏) [日記(2010)]

ロング・エンゲージメント [DVD]
アメリ』『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』のジャン=ピエール・ジュネです。主演も『アメリ』のオドレイ・トトゥ!見るしかないです・・・笑。

 雨でぬかるむ塹壕、毒ガス、戦車、航空機、レマルクの『西部戦線異状なし』(こっちはドイツ軍の視点)を彷彿とさせる設定です。前線の塹壕に5人の死刑囚が拉致されるところから映画は始まります。いずれも戦線離脱のために手を打ち抜く(銃が撃てない)自傷事故を起こし、死刑の判決を受けた囚人。家具職人バストーシュ、鉄道工場の工員シー・スー、農夫ノートルダアム、コルシカ人のヒモ・アンジェ、灯台守のマネク。
処刑される代わりに、5人は独軍と仏軍の中間地点に放り出されます。独軍に殺されるか、飢えと寒さで死ぬか何れにしろ命は無いというわけです。そして見事に死にます

 マネク(ギャァスパー・ウリエル)の死に疑問を持ったのが婚約者のマチルド(オドレイ・トトゥ)。マネクが生きている確率は限りなく低いわけですが、婚約者の『勘』でマネクの生を信じ、彼女は戦場の生き残りを訪ねマネクを探し出そうとします。マチルドを演じるのがオドレイ・トトゥ。どうしても、遮二無二に恋人を探す行動的なアメリ・ブーランとダブってしまいます。このマチルドの愛と行動力が最後には彼女を真実へと導きます、というのが『ロング・エンゲージメント』でしょう。

 この映画はそうしたラブロマンスをベースに、マチルドがマクネの生死と戦場の真実を探り出すミステリです。中には都合のよすぎるストーリー展開もあるのですが、ひとつひとつヴェールを剥がすように真実に近づいてゆくマチルドに、見ている方もつい応援したくなります。マチルドの設定にも工夫があります、

・幼くして両親を亡くし叔父夫婦に育てられている・・・ドミニク・ピノンといいコンビ
・小児麻痺のため片足が不自由・・・エッチラオッチラ何処へでも出かけます
・霧笛と似ているという理由でチューバを吹く・・・チューバです、チューバ

 孤児で足が不自由なマチルドが、ひたむきにいいなずけの安否を尋ねる物語ですから、誰だって応援しますね。決して明るい物語ではないのですが、そこはジャン=ピエール・ジュネです。カラッとしていて、至る所にユーモアとペーソスが溢れています。マチルドは『アメリ』そのものです。

 マチルドの叔父を演じるのがジュネお抱えの俳優ドミニク・ピノン。この人持ち味からすると死刑囚4人のひとりの方が似合うと思うのですが、今回はマチルドを温かく見守り協力する優しい叔父さん。もいひとり、アレッというのがジョディ・フォスター。何故かジョディ・フォスターが出ています。彼女の演じるエピソードも、ストーリーとは直接関係はありませんが、なかなか胸を打つエピソードです。

デリカテッセン』(1991年) 
ロスト・チルドレン』(1995年) 
エイリアン4』(1997年) 
アメリ』(2001年) 
『ロング・エンゲージメント』(2004年)

 『エイリアン4』は別にしても、だんだん分かりやすくなってますね。

 『アメリ』でジャン=ピエール・ジュネにはまったらお薦めです。『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』に比べると随分まっとう?な映画です。

監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ
ギャスパー・ウリエル
ドミニク・ピノン
ジョディ・フォスター


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