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映画 アイ・アム・サム(2001米) [日記(2011)]

I am Sam [DVD]
 知的障害者が子供を持つというドラマを通して、親子の絆を問う映画です。
 7歳の知能しかないサムは、スターバックスで働きながら娘のルーシーを育てています。ルーシーが幼い間は、7歳の子供が3歳の幼児の面倒を見るという状況は理解できますが、ルーシーが7歳になり父親の知能を追い抜くと、知能上は親子関係が逆転するというちょっと困ったこととなります。これをとんでもないことと考えた児童福祉局は、サムから親権を取り上げようとします。これが第1のプロット。
 やがて調停が始まり、サムはルーシーを取り戻すために一流の弁護士を雇いますが、これが第二のプロット。自給8ドルのサムが何故一流弁護士や雇えたのか、この弁護士が何故サムに味方し勝ち目の無い裁判を闘うのか、これが第2のプロットです。

 親とは何か、を考えさせられます。私も(子供が成人したという意味で)かつては親をやっていいましたが、これはもういたく反省せさせられます。こっちが健常で浮き世の垢にまみれていた分、サムほど子供に愛情をそそいではいませんでした(笑。

サム.jpg 友達.jpg
 知的障害とは何か、これも考えさせられます。ビートルズの『ミッシェル』の成立の話が出てきます。
リタは調停で、ルーシーのためには里親に預けて時々会う方がいいのではないか、とサムに言います。
サムは反論します、
それはあまりいいアイデアじゃない 里親の人はルーシーを知らない でも僕は父親だから知っている
ルーシーに会いたいなら 里親の人がうちに来ればいい そういいきれる ルーシーは僕のものだ

その理由は?とリタが問うと

ポールマッカトニーは『ミッシェル』を作ったとき
出だしだけ書いて ジョンレノンに渡したら
ジョンが“アイラブユー”の部分を書いた
それで名曲になったとアニーが言っていた
だから解散したとき世界中が泣いた 1970年4月10日だ

まぁ映画のシナリオですが、なかなか含蓄のある答えではないでしょうか。

 7歳の知能しか無いサムがスタバで働いていますが、世界のスタバですから『映画の話し』だけではないのでしょうね。全米で何百人ものサムが働いているんでしょうか。

 第2のプロット、女性弁護士のリタです。高額な弁護料を取り、何人もの依頼人を抱える弁護士ですから、サムの弁護などあり得ないわけです。映画では、リタの見栄みたいなもので行きがかり上ボランティアで引き受けるハメになります。この超多忙で早口でせっかちな弁護士とスローで自分の考えを真っ直ぐに表現するサムの掛け合いは見どころです。
 一見非の打ち所の無いリタですが、仕事優先で一人息子はなつかず、夫ともうまくいっていないようです。サムの事件の関わってサムとルーシーの関係、サムの人柄、サムを始めとする『知的障害者』の実態(サムの友人の4人組が愉快です)が逆にリタの人生を照らす仕組みとなっています。この辺りをクサイと見るか予定通りとみるかです。

 ショーン・ペンの演技ですが、こういう役の演技は分かり易いです。『レインマン』のダスティン・ホフマン、『レナードの朝』のロバート・デ・ニーロ、『ビューティフル・マインド』のラッセル・クロウなどけっこうありそうです。まぁ下手ではできません。

 全編にビートルズの曲(カバー)が流れるのも魅力のひとつです。ルーシーも、“サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド”の“Lucy In The Sky With Diamonds”から来ています。

ルーシー.jpg 弁護士.jpg

監督:ジェシー・ネルソン
出演:ショーン・ペン ミシェル・ファイファー ダコタ・ファニング


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