映画 レインマン(1988米) [日記(2011)]
自閉症の兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)と健常者の弟チャーリー(トム・クルーズ)の交流を描き、健常者が精神を病んだ者の無垢な魂に癒されると云うよくある話です。
チャーリーは疎遠であった父親が亡くなり葬儀に駆けつけます。彼は父親との確執で16歳で家を出てその後一度も故郷に帰ることがなかったのです。遺言によって、チャーリーは1949年製のビュイックと薔薇の木を譲られ、遺産の300万ドルはある人物の管財人に委ねられる事実が明らかとなり、この遺産相続によって、チャーリーは施設にいる自閉症の兄レイモンドの存在を初めて知ります。
映画は、チャーリーが正当な遺産相続分150万ドルを手に入れるためレイモンドを施設から連れ出し、ビュイックでシンシナティからロサアンゼルスを目指すロード・ムービーです。シンシナティ→ロスなら飛行機を使いますが、レイモンドは飛行機事故の細かいデータを挙げ搭乗を拒否します。無理矢理乗せようとするとパニック障害。レイモンドの病気は、計算や記憶にすばらしい能力を発揮する反面、生活習慣が崩れるとパニックに陥るというもので、普通の社会生活を営むことはできません。そんなレイモンドを施設から連れ出し、シンシナティからロサアンゼルスまで3日間車で旅をするわけで、マイペースで自分の習慣に固執するレイモンドにチャーリーは手を焼くこととなります。身につけるものも、例えば“Kマートのヘインズのボクサー・トランクス”でないと駄目なわけで、笑います。東からロスに行くにはラスベガスを通りますが、レイモンドの優れた記憶力がカジノで遺憾なく発揮されふたりは大儲け。
こうして、かなり変わっているが心根が純情なレイモンドと過ごすことによって、チャーリーの中に肉親の情が生まれてきます。
泣かせるのは、タイトルともなっている『レインマン』です。チャーリーが恋人に説明します、
子供の頃、なにか怖いことがあるとレインマンが歌を歌ってくれた子供が頭のなかにつくる友達だよ
レインマン=レイモンドだったわけです。
なんといっても見どころは、オスカー受賞のダスティン・ホフマンの演技でしょう。よくあるヒューマン・ドラマで終わってしまうところをダスティン・ホフマンが支えています。『レナードの朝』のロバート・デニーロ、『アイ・アム・サム』のショーン・ペンも素晴らしかったですが、こちらが本家本元でしょうね。影になってますが、トム・クルーズも頑張ってます。
監督は、『グッドモーニング、ベトナム』のバリー・レヴィンソン。
監督:バリー・レヴィンソン
出演者:ダスティン・ホフマン トム・クルーズ ヴァレリア・ゴリノ
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