映画 クロッシング(2009米) [日記(2011)]
原題はBrooklyn's Finest。 finestには警官という意味があるそうですから、文字通りNYブルックリンの警察官の物語です。
何の係わりも無い3人の警官が、ある事件に文字通り「交差」することで、3人が抱える人生が浮かび上がって来る仕掛けとなっています。全員が自らの運命に絡め取られるという、ノワール且つハード・ボイルドです。
エディ(リチャード・ギア)
定年を1週間後に控えたパトロール警官。この二十数年間、ひたすら年金の下りる今日まで無為無策で時間を潰して来た。黒人の娼婦のもとを訪れることが現在の生き甲斐で、退職金をつぎ込んでこの娼婦との生活を夢見ているが娼婦の優しさは商売で、無残に振られます。リチャード・ギアとしては、異色の役です。
サル(イーサン・ホーク)
生まれてくる双子の子供とハウスシック症候群の妻のために、引越しを急かされている。引越しの頭金が不足し、麻薬捜査官の地位を利用して、麻薬代金の横領に手を染めます。子沢山のうえ、また双子が生まれます。映画の中でも出てきますが、敬虔なカソリックではないでしょうか?家族のため次第に横領がエスカレートします。「」
タンゴ(ドン・チードル)
「スーツを着てネクタイを締める事務職」への異動を目指す、出世主義の潜入捜査官。潜入先の組織のボスを親近感を持つようになり、潜入捜査という二重性に限界を感じている。
べつに運命論者ではありませんが、人間は自分自身に潜む「核」のようなものから逃れられない、そんな映画です。監督は「ザ・シューター/極大射程」のアントワーン・フークアです、こちら方がお薦め。
監督:アントワーン・フークア
出演:リチャード・ギア イーサン・ホーク ドン・チードル
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