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映画 遊星からの物体X(1982米) [日記(2013)]

遊星からの物体X 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD]
 1951年の『遊星からの物体X』のリメイクです。この大時代的なタイトルも、リメイクですから仕方がないのでしょうが、どうもねぇ。原作が“The Thing from Another World”、リメイクが“The Thing”ですから、もうちょっとマシなタイトルが無かったものかと思います。
 原作は、有名なSF雑誌『アナログ』の名物編集長ジョン・キャンベルの『影が行く(1938年)』です。実はこれ高校生の頃に読んだことがあります。ということで見てみました。タイトルは時代掛かっていますが、中身はどうしてこれがなかなかのもの。ちなみにレンタルショップでは、SFの棚ではなくホラーの棚にありました。

 一言で云うと、南極大陸の観測基地で起きる観測隊員vs.エイリアンの戦いです。SFで云う侵略もので、世界から隔絶された南極大陸というのがポイントですね。

 ノルウェー隊のヘリが犬を追うシーンから始まります。銃や手榴弾で殺そうというのですから、ちょっと異常です。犬はアメリカの基地に逃げ込み、ノルウェー隊員はアメリカ隊員に銃を向けたために銃殺され、ヘリは手榴弾で爆発炎上。犬だけが無傷でアメリカ基地に侵入したことになります。狐につままれたような事件で、アメリカ隊はノルウェー基地を訪れます。ノルウェー基地は全滅。アメリカ隊は、9時間に及ぶビデオテープ、何かを掘り出したような方形の氷の塊、人間とも思われない正体不明の焼死体を発見します。
 
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 ビデオテープが撮られた場所を訪れたアメリカ隊は、南極大陸の氷の下に巨大なUFOを発見します。UFOの側には、ノルウェー基地にあった方形の氷の塊を切り取った穴が見つかります。同行の科学者曰く、UFOは10万年前のものだ!ノルウェー隊が冷凍エイリアンを掘り出して解凍したために惨劇が起きたのではないか?
 一方アメリカ基地では奇怪な焼死体の調査が行われています。調査の結果、死体の細胞は動物や人間の体内に入ると宿主の細胞を取り込み、宿主そっくりのエイリアンに変身すると云うものです。これを地球上に解き放つと27,000時間で全人類がエイリアンになるらしい。27000時間と云うと約3年!。ノルウェー隊は、このエイリアンに乗っ取られた同僚を焼却し、犬に化けたエイリアンを追ってアメリカ基地までやってきた様です。

 飼育ゲージに入れられたエイリアン犬は、次々に犬を同化して怪物に変身。問題はここからです。基地に運び込んだ焼死体が実は生きていて、隊員を同化しエイリアンに変身します。どういうわけか変身過程はグロテスクなんですが、変身が終わると普通の人間と全く変わらないわけです。つまり自分の隣にエイリアンがいても分からない、何時自分が襲われても不思議ではなく、アメリカ基地の10人ほどの隊員は疑心暗鬼+パニックに陥ります。無線で助けを呼べばいいわけですが、「都合よく」無線機は故障。孤立したアメリカ基地にエイリアンの恐怖がひたひたと忍びよります。

 誰がエイリアンで誰が人間であるかを見分け撲滅しなければ、エイリアンが基地外へ出て人類は滅亡してしまいます。人類VS.エイリアンの壮絶な闘いが始まることになります。同僚のなかからエイリアンを探し出してこれを殲滅するわけです。手に汗は握りますが大スペクタクルが展開されるわけではありません。ダイナマイト、火炎放射器が活躍する程度です。しかしながら、エイリアンが人間に同化する「エイリアン人間」のグロテスクさは見ものです。人間の内臓を食い破ってエイリアンが出現しますから、スプラッター・ホラーです。ここまで見て、『遊星からの物体X』が、SFの棚ではなくホラーの棚にあった理由がやっと分かりました。

 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』というこの映画の前日譚を描いた新作もあるので、これも見てみたいです。

監督:ジョン・カーペンター
出演:カート・ラッセル

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