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映画 マジェスティック(2001米) [日記(2014)]

マジェスティック 特別版 [DVD]
 「記憶喪失もの」というジャンルがあるのかどうか知りませんが、ソレです。記憶喪失にマッカーシズムを絡めて、最後はアメリカの良心というオチで終わります。マッカーシズムというと、エドワード・R・マローを描いた 『グッドナイト&グッドラック』がありますが、『マジェスティック』はマッカーシズムに正面から取り組んだわけではなく、マッカーシズムはあくまで小道具です。主演が『マスク』のジム・キャリーですから、シリアスにはなりません。

 駆け出しの脚本家ピーター(ジム・キャリー)は、学生時代に共産党系のクラブに所属していたという理由で「非米活動委員会」の調査対象となります。委員会はピーターを共産主義者とみなし、ハリウッドは契約を打ち切ります。ピーターは、可愛い女の子を追いかけてこのクラブに入ったというだけでのノンポリ(死語ですねぇ)。余談ですが、この女の子を追いかけて政治運動に首を突っ込むというのは、1960、70年代によくあった話で、この映画を見て思わず笑ってしまいました。マッカーシズムが出てきますから、時代設定は1950年頃の話です。

 ピーターは、もう少しでメジャーに昇格するところで契約を打ち切られ、恋人まで失ってしまいます。ヤケ酒を飲んで車もろとも海に落ち、記憶を失ってローソンという田舎町に流れ着きます。ローソンの住人は、記憶喪失のピーター見て、戦争(WWⅡ)で行方不明となった‘ルーク’が帰ってきたものと勘違いします。ルークとそっくりだったんですね。多くの若者を戦争で失った失意の町に、行方不明だったルークが帰ってきたのですから大変な騒ぎとなります。ルークの父親ハリー(マーティン・ランドー)はピーターを息子として自宅に連れ帰り、ルークの婚約者であったアデル(ローリー・ホールデン)まで登場して、記憶を失ったピーターはルークとして生き始めます。

 ハリーは、ローソンで唯一の映画館‘ザ・マジェステォック’のオーナー。時代の流れなのか息子を失ったためか、映画館を閉鎖し失意のうちに暮らしています。ハリーは、‘ルーク’の帰還で希望を取り戻し、ルークとともに映画館マジェスティックの再建を図ります。アメリカの象徴である「映画」と映画館の復活で、田舎町ローソンに希望と活気が戻ってくると云うわけです。映画による映画の賛歌、ハリウッドの自画自賛と言えなくもないです。
 マジェスティックには『アフリカの女王』のポスターが貼られ、『地球の静止する日』が上映されますから、映画の設定は1951年ということになります。

 記憶喪失はどうなった?。ピーターが脚本家として参加した映画がマジェスティックで上映され、これをきっかけにピーターは記憶を取り戻します。折しも、事故を起こした車が発見され、「非米活動委員会」はピーターがルークとしてローソンに暮らしていることを突き止め、委員会に召喚します。弁護士は、委員会で共産主義者であることを認め、共産主義を放棄する声明を出して当時の仲間の名前を明かせば無罪となるとピーターにアドバイスします...。
 まぁ予想通りの結末を迎え、HappyEndとなるわけで、いかにもアメリカ的な映画です。お薦めかというと、DVDを借りて見るほどの映画でもないです。

 ハリーを演じたマーティン・ランドーは、『エド・ウッド』のドラキュラ俳優ベル・ラゴシ、監督は『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『ミスト』のフランク・ダラボン。ジム・キャリーもそうですが、ベテラン俳優、監督で手堅くまとまっています。

監督:フランク・ダラボン
出演:ジム・キャリー マーティン・ランドー ローリー・ホールデン

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