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映画 コリン LOVE OF THE DEAD(2008英) [日記(2014)]

コリン LOVE OF THE DEAD スペシャル・エディション [DVD]
 『ショーン・オブ・ザ・デッド』の記事にコメントを頂き、この映画を薦めて頂きました。
 ゾンビ映画というのは、たいていの場合いゾンビに襲われる人間、ゾンビと闘う人間を描いたホラー映画です。『コリン』はこの常識を覆し、ゾンビを主人公にゾンビの側から描いたホラー映画です。シェリー夫人の『フランケンシュタイン』が、ホラー小説ではなく怪物に作り替えられた「フランケンシュタイン」の苦悩の物語であることを考えると、これはアリです。

 主人公のコリンはゾンビに噛まれ、自らもゾンビとなって街を彷徨います。人間を襲うゾンビと逃げまわる人間が描かれ、普通のゾンビ映画として始まります。手持ちのカメラで撮った映像は、正直言って見辛いです。コリンが街を彷徨う映像やゾンビが人間を襲う映像を延々と見せられ、我慢が切れかかった頃映画が動き出します。コリンが街を彷徨うシーンも、実は伏線です

 コリンの姉が彼を見つけて保護?し、母親に会わせれば自分を取り戻すのではないかと実家に連れてゆきます。
効果が現れます。ゾンビですから元の人間に戻ることはありませんが、徐々にコリンの凶暴性が無くなります。ゾンビの家族が、ゾンビとなった我が子と弟を正気に立ち戻らせようとする姿は、今までに無かったシーンです。ところが、姉はコリンを保護する時に噛まれ、ゾンビになってしまい、母親と姉の夫は、コリント姉を自宅に閉じ込め何処へともなく去ってゆきます。

 ゾンビが主人公となると、こういうエピソードも生まれます。人間がゲームとしてゾンビを狩るエピソードです。人間が集団となってゾンビを殺戮します。そこで描かれるのは、ゾンビの恐ろしさではなく、人間のおぞましさです。ゾンビは、例のギクシャクした姿で動きもノロイですから、人間の数さえ多ければ容易にゾンビを殺すことが可能です。このゾンビ狩りには、ゾンビに噛まれるリスクが伴います。このエピソードでも、ゾンビを殺しまくっていいる間に仲間が噛まれ、ゾンビになる前に噛まれた仲間を殺すと云う悲劇が描かれます。感情移入が、完全にゾンビに移ってしまいます。ゾンビ、可哀想。

 ゾンビは死にませんから、人間に殺されたコリンは蘇ってまた歩き出します。コリンが向かう先は、実はコリンの恋人のアパートだったのです。コリンは、ゾンビに噛まれた恋人を看病?している間に彼女に噛まれて、ゾンビになったことが明かされます。
 ゾンビとなっても、心に宿る恋人の面影を求めて街を彷徨い、恋人のもとに還えったというわけです。ゾンビのラブストーリーです。

 素人?が作ったB級ホラー映画ですから、お世辞にも面白いとは言えません。発想は評価できますが、人間ではなくなったゾンビを主人公にしてもこれが精一杯かもしれません。観客は人間なのですから。

監督:マーク・プライス
出演:アラステア・カートン

【当blogのゾンビ】
28日後..(2002英)
ショーン・オブ・ザ・デッド(2004英)
REC/レック(2007西)・・・ゾンビではないかも?
28週後...(2007英)
アイ アム レジェンド(2007年米)
ゾンビランド(2009米)[手(チョキ)]
バイオハザードIV アフターライフ (2010米)

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コメント 2

夏乃パイン

こんばんは。先日、『コリン』をお勧めした者です。
ご視聴、誠にありがとうございました。まさにご感想の通りの、最後まで嫌気が差さずに観ていられるかどうかも問題な作品ですが、新しい切り口のゾンビとしてゾンビ映画に理解のある方に是非観ていただきたかったので、とても嬉しいです。
折角の面白いテーマ、もう少し切り詰めて上手く表現できていれば良かったのにとは思いつつ…(^^;)

他のレビューも参考にさせていただいております。ありがとうございます!

by 夏乃パイン (2014-10-19 21:04) 

べっちゃん

ゾンビを主人公にした映画が成立するかどうか、これはかなり難しいです。
あの面相で、ギクシャク動くゾンビに感情移入せよと言われても、ちょっと出来ません。このふたつをどうクリアするかですね。
ドラキュラは血とエロティシズムで映画として成り立っています。ゾンビに何を掛けあわせれば映画になりるのか?、です。新しいゾンビ映画を期待したいものです。ちなみに、我が家では一時、子供がキョンシーファンになっていました(笑。

面白い映画がありましたら、またご紹介下さい。コメント有難うございました。
by べっちゃん (2014-10-19 22:00) 

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