映画 リメイクとオリジナル [日記(2014)]
『ジャッカルの日』や『椿三十郎』を見て、リメイクがオリジナルを超えた、という映画はあるのか?という疑問が湧きました。当blogで扱ったリメイクとオリジナル映画を集めてみました。
これは異存のないところでしょう。七人の侍にそれぞれ人間としての個性がありますが、リメイクでは七人のプロフェッショナルです。彼等を雇う農民の描き方もオリジナルのほうがドラマがあって面白いです。
リメイクと呼んでいいのかどうか?。何しろ、「マカロニ・ウエスタン」というジャンルを作ったのですから、これはこれで名画だと思います。好みから云うと黒澤ですが。東野英治郎以下の脇役陣も、オリジナルの方がずっと面白いです。セルジオ・レオーネは、このリメイクで開眼したのか、ドル箱三部作には黒澤流ユーモアが濃厚です。
脚本をソックリそのまま借りてくるという、異色のリメイクです。脚本を借りてきたために、自由な発想が妨げられたと言うこともできます。『用心棒』から1年、成長した仲代達矢を見る楽しみもあります。
ジャッカル(1997米) < ジャッカルの日(1973英仏)
リメイクというより別ものかも知れません。ブルース・ウィリスとリチャード・ギアを起用して、ハリウッド好みに仕上げた分、アクション映画になってしまいました。マンハントのサスペンスとしてはオリジナルの方が上です。
リメイクというより別ものかも知れません。ブルース・ウィリスとリチャード・ギアを起用して、ハリウッド好みに仕上げた分、アクション映画になってしまいました。マンハントのサスペンスとしてはオリジナルの方が上です。
ジーン・ハックマンのオリジナルのほうが圧倒的に面白いです。CGを駆使したリメイクの方が迫力があるはずなのですが、それが生きてこないのは、脚本の問題です。神父のジーン・ハックマンが、神の存在を問うシーンは圧巻です。アーネスト・ボーグナイン以下の脇役の素晴らしい。
幸せのレシピ(2007米) < マーサの幸せレシピ(2001独)
ラブストリーとしてはキャサリン・ゼタ=ジョーンズを起用したリメイクの方がまとまっていますが、オリジナルのほうがスパイスが利いています。実は、ラブストーリーでありながら、ドイツとイタリアの食に関わる物語でもあるからです。その辺りの描き方は、オリジナルの方が奥が深いです。
ラブストリーとしてはキャサリン・ゼタ=ジョーンズを起用したリメイクの方がまとまっていますが、オリジナルのほうがスパイスが利いています。実は、ラブストーリーでありながら、ドイツとイタリアの食に関わる物語でもあるからです。その辺りの描き方は、オリジナルの方が奥が深いです。
舞台は陪審員の控え室、12人の俳優の論議だけで観客を1時間半釘付けにするわけですから、オリジナルはやはり名画でしょう。リメイクは、チェチェン紛争で孤児となった少年が、養父のロシア人将校を殺す事件を背景にして、ロシアの国情がチラと出ています。こちらも面白いです。
ラッセル・クロウに一票。オリジナルのグレン・フォードとヴァン・ヘフリンも捨てがたいです。
サイドウェイズ(2009日) ≒ サイドウェイ(2004年)
自分を見つめなおすためにカリフォルニのワイナリーを尋ねる旅の話しで、ワインがからむと人は幸せになるという映画です。こういうのは日本人がやっても絵になりにくいです。もっとも、リメイクの方は、20年前の青春というスパイスが効いていますから、日本人には受けそうです。
平凡な大学教師が、冤罪の妻を刑務所から脱獄させるるという話しです。リーリメイクの方が長尺のためプロットが丁寧に作ってあります。オリジナルは会話が少なく、ハードボイルド・タッチです。これも悪くはないです。ポール・ハギスに一票。
ヘイリー・スタインフェルドに一票。父親を殺された少女が、賞金稼ぎを雇って犯人を追うシンプルなストーリーです。したがって、この少女と賞金稼ぎの関係が映画の生命線です。と考えると、これを演じたヘイリー・スタインフェルドの演技が光るリメイクの方が面白いです。
娯楽時代劇としては特撮とアクションの派手なリメイクの方が面白いです、これは仕方がないことです。バカ殿が老中になることを防ぐために、幕閣が差し向けた刺客・島田新左衛門とバカ殿の家老鬼頭半兵衛の闘いがメインです。ですが、リメイクの隠し球はバカ殿を演じた稲垣吾郎。稲垣吾郎に一票。
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