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映画 赤い河(1948米) [日記(2016)]

赤い河 オリジナル・バージョン [DVD]
 ジョン・ウェイン主演の「名作」と言われる西部劇です。1万頭の牛を追ってテキサスからカンザスまで1600kmの旅を描く”ロングドライブ”(牛追い)ものです。
 ダンソン(ジョン・ウェイン)とグルート(ウォルター・ブレナン)がグランデ川?の近くの肥沃な土地で牧場を立ち上げる1851年と、南北戦争を挟んで1万頭の牛を運ぶ1865年の、二部構成になっています。ロングドライブがストーリーの中心ですから、第1部でダンソンが恋人を失うエピソード、ふたりに拾われた少年マット(長じてモンゴメリー・クリフト)を登場させ、第2部の伏線としています。
 ダンソンが グランデ川の側に土地を手に入れる下りも面白いです。ドンなんとかの手下が所有権を主張するのですが、どうせお前たちも先住民から奪った土地だろうとこの男を撃ち殺して、ここはオレの土地!だと勝手に宣言します。その後、男を埋葬し聖書片手に祈りを捧げます。これも第2部の伏線。
 ずいぶん乱暴な話しですが、 ヨーイドンで馬車を走らせ、早い者勝ちで土地を手に入れることができた(ランド・ラッシュ、ホームステッド法)時代の話しです。無住の地(ではないのですが)を開拓者がどうやって手に入れたかは、『シマロン』を見るとよく分かります。

 第2部です。14年が経って牧場は1万頭の牛を擁するまでに成長しますが、南北戦争で疲弊したテキサスで牛をさばくことが出来ません。このままでは挟んだ! →ダンソンは食肉需要の大きい東部に牛を売るため、鉄道の通じたミズーリ州セデーリアまで牛を運ぶことになり、ロングドライブの始まりとなります。牛の大暴走、牧童の造反、インディアンの襲撃などお決まりのエピソードが描かれますが、第1部の伏線が生きてくるので面白いです。
 ダンソン一行は、ミズーリ州との州境でならず者に襲われ命からがら逃れた男と出会い、この話で牧童は浮足立ちます。牧童たちはミズーリではなくカンザス州アビリーン行くことを主張し、ミズーリに行くなら辞めると言い出します 。先に拳銃を抜いたのは牧童たちですが、ダンソンは彼らを撃ち殺し、明日埋めてお祈りをあげると言って立ち去ります。牧童のひとりが呟きます、

自分で殺し、地面に埋めて 聖書を読む
人を殺していおいて 何故神様を巻き込むんだ

法律はオレだというわけで、アメリカの保守の権化ジョン・ウェインの面目如実。
 これを見て牧童3人が逃げ出します。ダンソンは人を遣って彼らを捕まえ、縛り首を命じます。これには、子供の時から育てられたマットも長年の友人グルードも愛想をつかし、牧童を味方につけてダンソンを追放します。新しいリーダーにはマットが就き、ミズーリではなく鉄道が来ているというカンザス州セデーリアを目指すことになります。つまり世代交代、頑固一徹で古いダンソンに代わって新しい世代の台頭です。
 ジョン・ウェインが途中から脇役になって主演はモンゴメリー・クリフト。ジョン・ウェインはお役御免かというと、最後に顔を出してHappyEnd。途中までよかったのですが、この軟弱な結末は残念ですが、まぁまぁお薦めの西部劇です。 

監督:ハワード・ホークス
出演:ジョン・ウェイン モンゴメリー・クリフト ジョアン・ドルー ウォルター・ブレナン

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