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映画 エンド・オブ・ザ・ワールド(2012米) [日記(2016)]

エンド・オブ・ザ・ワールド DVD
 SF映画ではありません。世界が破滅に向かう中で、人々はどのように死に対処するのか?。第三次世界大戦の放射能汚染によって世界が滅亡する、ネビル・シュートのSF『渚にて』にちょっと似た映画です。

 小惑星が地球に衝突して人類の滅亡は確定的となります。冒頭、小惑星爆破に向かったスペースシャトルが失敗し、世界の滅亡まで3週間となります。普通の終末ものは、小惑星の接近と衝突回避がメインになりますが、この映画では衝突が決定的となった後の話です。

 主人公は、人類の滅亡が決定的となった時点で奥さんに逃げられた中年のドッジ(スティーヴ・カレル )。どうせ後3週間で死ぬんだとなると、人間は欲望に歯止めが効かなくなり、パーティーを開いては酒、麻薬、セックスとやりたい放題。ドッジを招いた友人は、昼間から酔っぱらい子供にまで酒を飲ませます。夫人は、ドッジにガールフレンドを紹介しますが、堅物のドッジはその気にならず、挙げ句の果ては婦人がドッジを口説く始末。夫人曰く「最早私は誰のものでもない」。

 暴動が起き、社会のインフラは危機的状況となります。そんな中でドッジは、イギリスに帰る飛行機に乗り遅れたペニー(キーラ・ナイトレイ)と出会います。倫理と規範を取っ払って、人間の欲望が剥き出しとなる一方、最後の時を家族と共に静かに過ごそうという人たちもいるわけです。

 ドッジとペニーは同じアパートに住む住人で、ドッジ宛の手紙がペニーに誤配されたことから、ラブストーリーが始まります。『エンド・オブ・ザ・ワールド』というタイトルがSFでないなら、 キーラ・ナイトレイが出ている以上ラブストーリーしかありません。
 誤配された手紙が、ドッジの高校時代のガールフレンドからのものだったことで、ドッジはこの ガールフレンドに会いに行き、ついでに自家用飛行機を持つ友人に頼んでペニーをイギリスに送り届けようということになります。

 かくして、ドッジとペニーのロードムービーがはじまります。ふたりは、様々な人たちと旅で出会います。何時も通り店を開けるレストラン、芝を刈る人、渚でくつろぐ人々、職務に励む警察官彼らの残された三週間の生と出会うことによって、ドッジとペニーの愛が育まれると云うのがこの映画のテーマです。終末ものの佳作です。

監督:ローリーン・スカファリア
出演:スティーヴ・カレル キーラ・ナイトレイ マーティン・シーン

タグ:BSシネマ
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