SSブログ

映画 砂上の法廷(2016米) [日記(2018)]

砂上の法廷 [DVD]  感想の書きやすい映画と書きにくい映画があります。前者はミステリーとB級で、見てもそこそこ面白い。後者は巨匠の名作か駄作で、見てもたいてい面白くない。もっとも例外の無い規則はない、ということですが。『砂上の法廷』はミステリー、それも法廷モノですから書きやすいです。

 原題は”THE WHOLE TRUTH”。弁護士が息子に刺殺される事件が起き、ラムゼイ(キアヌ・リーヴス)が弁護を引き受けます。ラムゼイと弁護士は師弟関係にあり、奥さんのロレッタ(レニー・ゼルヴィガー)、犯人である17歳の高校生マイク(ガブリエル・バッソ)とは親しい間柄。17歳ですから日本なら家裁送りになるはずですが、尊属殺人ですから第一級謀殺事件として審理されることなります。
 マイクは、殺人現場で警官に殺人を自白し、その後一言も証言しないという異例の事件。ラムゼイは証言が得られないまま、事件の真相を手探りで調べながら弁護をする展開となり、それがこの映画面白い点です。犯人は誰か?、マイクは何故証言しないのか?、です。

 奥さんにレネー・ゼルヴィガーを持ってきていますから、これが怪しい。マイクが証言しないのは母親をかばっているから、という推測が容易に成り立ちます。面白いのは、ラムゼイの助手に女性弁護士のジャネル(ググ・ルバサ・ロー)を持ってきた点。ジャネルの特技は嘘を見抜くことで、飛行機のアテンダント、検察医、マイクの友人など次々に法定に立つ証人の嘘を、挙動や証言内容から見抜きます。ジャネルがいることによって、冗長になるストーリーがコンパクトになります。マイク、ロレッタの嘘もラムゼイの嘘さえ見抜いていることなり、原題の”WHOLE TRUTH”がそれを端的にあらわしています。
 突然マイクが証言台に立つことを了承し、そこでとんでもない証言が飛び出します。マイクは父親から性的虐待を受けており、それが殺人の動機だというものです。この証言が決め手となって、マイクは殺人事件の犯人ではあるものの無罪となります。これだけでは映画になりませんから、オチがあります...ナルホド。

 個人的に残念なのはレネー・ゼルヴィガー。『ブリジット・ジョーンズの日記』『シカゴ』『コールドマウンテン』と2000年台初頭は輝いていたのですが、この映画では普通の女優に戻っています。

 ラムゼイは、モーテルを事務所代わりに使い、バイクで法廷に通う貧乏弁護士。同じような設定に、リンカーン(車)を事務所兼足にする『リンカーン弁護士』があります。法廷モノとしてはこちらがお薦め。一番のお薦めはやはりデートリッヒが登場する『情婦』ですね。
 1時間半の映画ですから気楽に見ることができて、そこそこ面白い。暇つぶしとしてはお薦めの一本です。

監督:コートニー・ハント
出演:キアヌ・リーヴス レネー・ゼルヴィガー ググ・ルバサ・ロー

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。