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映画 サプライズ(2011米) [日記(2018)]

サプライズ [DVD]  原題は”YOU'RE NEXT”、次はお前だ!。同じ監督のアダム・ウィンガードの『ザ・ゲスト』(何故かアクセスが多い)はまだしもストーリーがあったのですが、この映画はストーリーというものは全く無し。只々人が殺される、それも惨殺されるだけといういう映画です。こういう映画をスプラッタというらしく、米映画のひとつのジャンルのようです。

 両親の結婚35周年に別荘に集まった家族が、理由も分からず(実は理由はあるのですが)「次はお前だ!」と次々に殺される、それだけです。別荘に集まったのは、両親と長男夫妻、次男、三男、長女とそれぞれの彼女彼氏の10人。まず長女の彼氏がボウガンで頭を射抜かれます。助けを求めて飛び出した長女が、玄関に張られたピアノ線に喉を裂かれて血まみれになって絶命。母親は斧で、父親はナタでと、凶器は原始的なものばかり。スプラッター映画ですから当然といえば当然。

 殺人にも美学が要求される日本映画には、スプラッタというジャンルはありませんね。黒澤明の『椿三十郎』で、三船敏郎が仲代達矢を斬るシーンでは血が吹き出します。日本刀で人を斬るシーンでは、斬った後「間」があって相手が倒れます。この「間」というのが重要で、血が吹き出るシーンは「間」を効果的にする演出ではないかと思います。『切腹』も、かなりスプラッタですが、「切腹」に至る武士道の美学がテーマです。スプラッタというものは、日本では受け入れられません。

 『サプライズ』に戻ると、ただ殺されるだけでは面白くないので、ひとりだけ、それも女性、次男の彼女エリン(シャーニ・ヴィンソン)が反撃に出ます。かわいい女性が男顔負けの反撃に出るから絵になるわけです。対する殺人犯といか殺人鬼は3人。動物の仮面を被っていますがこれがけっこう怖い、というか不気味。このキツネ、トラ、ヒツジ?のマスクを被った3人vs.エリンの闘いとなります。笑うのは、犯人がエリンの反撃で痛い目に会うこと。釘を逆さまに打ったトラップで、キツネだかトラが足を貫かれるのですが、これは楽しい。

 目出度く全員殺されます。ストーリーのある映画では、恨み、精神異常、カネ目当て等など殺人の動機が問題になります。動機によって映画のジャンルが決まりますが、スプラッタ・ムービーでは、動機もスプラッタでありジャンクです。
 スプラッタを見るのであれば『300』の方がはるかに迫力がありますね。というわけで『サプライズ』は無駄に終わりました(当然primeビデオですが)。
監督:アダム・ウィンガード
出演:シャーニ・ヴィンソン

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