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映画 ブルックリン(2015英米加愛) [日記(2018)]

ブルックリン [AmazonDVDコレクション]  1950年台初頭、アイルランドの田舎で母親と姉の3人でつましく暮らす女性エイリシュ(シアーシャ・ローナン)の物語です。仕事は日曜日だけの食料品店のアルバイト、気晴らしは友達と出かけるダンスパーティと閉塞感の日々。アメリカの神父(アイルランド移民)が仕事を見つけてくれたため、エイリッシュは母親を姉に託し移民することを決意します。

 ストーリーは至って単純。エイリッシュがアメリカに渡り、教会(たぶんカトリック)の支援を受けながらデパートの店員として自活し、やがてイタリア移民の青年と結婚しアメリカに根を下ろす、という物語です。途中、姉の死で故郷アイルランドに戻り、地元の青年に言い寄られて心がゆらぎます。結局結婚していたことがバレてアメリカに帰ります。この中途半端の帰郷のエピソードは、移民が故郷から拒絶されることの表徴だと思われます。アメリカで結婚届を出したエイリッシュが、アイルランドのイケメン青年と恋に墜ちてもどうしようもないわけで、故郷を棄てたエイリッシュはアメリカに帰るしかなかったわけです。
 エッ、これでお終い?、というほどのストーリーです。

 『ブルックリン』はアカデミー賞、ゴールデングローブ賞は逃したものの、数多くの映画賞にノミネートされいくつかを受賞しています。何故この映画がこれほどまでに多くの賞と関わることができたのか?。たぶんそれはテーマが「アメリカ移民」だったからだと思われます。人種の坩堝アメリカは、(トランプが何を言おうが)移民の活力で大国となった国です。聖パトリックス・デーのパレードに代表されるように、アメリカ国民は故国にアイデンティティを求める傾向が強く、この移民たちの(末裔の)郷愁が『ブルックリン』を支えていると思われます。
 故郷は遠くに在りて想うもの、そして悲しく詠うもの、というのが日本の美学ですが。

監督:ジョン・クローリー
出演:シアーシャ・ローナン エモリー・コーエン ドーナル・グリーソン ジム・ブロードベント ジュリー・ウォルターズ

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