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ミステリーより面白い、「パール判事は何を問いかけたのか 」 [日記(2007)]

 
     Radhabinod Pal         Bernard V. A. Röling
 8月14日放送のNHKスペシャル『パール判事は何を問いかけたのか ~東京裁判・知られざる攻防~ 』を見た。東京裁判とは太平洋戦争における日本の戦争犯罪を裁いた極東国際軍事裁判である。勝者が敗者を裁くという矛盾を抱えた東京裁判で、法理論と信念に基づいて全員無罪を主張したパール判事にスポットを当てたドキュメントである。インド代表の判事・パールの主張は、東京裁判の憲章である「平和に対する罪」「人道に対する罪」は事後法であり「法の不遡及の原則」上、この憲章でもって日本を有罪とすることは出来ない、というものである。また原爆投下についてもナチスのホロコースト同様の残虐行為と規定し、「勝者が敗者を裁く」法廷の矛盾を鋭く突いたが、広田弘毅の無罪を主張したオランダ代表判事・レーリングとともに少数意見として退けられ、A級戦犯25人の有罪が確定した。
 興味深かったのは人間のドラマである。戦勝国・植民地、アメリカ、英国、ソ連、フランス、オランダ、中華民国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、インド、フィリピンの11ヶ国判事団のなかで、自国の覇権を背負った各判事間の確執と攻防や、自国政府からの干渉を排除し法律家として自説を展開したパール及びレーリングなどのドラマである(NHKによると、レーリングはナチスのオランダ侵略後、ナチスに協力しなかったため地方に左遷されたが、戦後、潔白な裁判官を捜したところ、若干39歳のレーリングしかいなかった-というわけでもなかろうが-・・・と)。パールは東京裁判の判決文より長い2千数百ページに及ぶ独自の判決を書き、レーリンクとの交流は生涯続いたらしい。イギリス政府の意を挺し裁判を大勢にに導いたパトリックは、東京での無理がたたって病を得後に亡くなっているらしい。

NHKのHP →http://www.nhk.or.jp/special/onair/070814.html
再放送 →2007年8月22日(水) 深夜【木曜午前】0時10分~0時59分 総合
是非見ていただきたい。


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古井戸

東京裁判は通常の裁判ではなく、革命裁判、です。あるいは終戦処理、戦争の一部。

日本人としてはパールが裁判長でなくてよかった。。というところ。
http://blog.so-net.ne.jp/furuido/2007-08-15
by 古井戸 (2007-08-21 08:58) 

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