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村上春樹 中国行きのスロウ・ボート [日記(2007)]

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 文庫


 本書に納められといる短編と村上春樹の長編を発表順に並べると以下の様になる。

◆「1973年のピンボール」(1980.3)
・中国行きのスロウ・ボート(1980.4)
・貧乏な叔母さんの話(1980.12)
・ニューヨーク炭坑の悲劇(1981.3)
・カンガルー通信(本書所収)(1981.10)
◆「羊をめぐる冒険」(1982.10)
・午後の最後の芝生(1982.8)
・土の中の彼女の小さな犬(1982.11)
・シドニーのグリーン・ストリート(1982.12)

これは、本書の冒頭で作者よって宣言されている。さらに「これは僕にとっての最初の短編集である。」と(私にとっても村上春樹の最初の短編集である)。まるで7編の短編を読むに当たっての注意書きの様な宣言である。いろいろご不満もご不審もあろうが、最初の4編は「1973年のピンボール」を書いた後の余韻だよ、後ろの3編は「羊をめぐる冒険」後日たんだよと云うが如くである。
 「羊をめぐる冒険」から村上春樹を読みだした私にとっては、「中国行きのスロウ・ボート」と「貧乏な叔母さんの話」はマァなんとか、「ニューヨーク炭坑の悲劇」と「カンガルー通信」は殆どついてゆけない。この4編に比べると、「午後の最後の芝生」と「土の中の彼女の小さな犬」はどこまで行っても村上春樹的安心感で読める。というかこの頃から村上春樹は村上春樹であったことを確認したに過ぎないが。どちらも後の長編のテーマである「死と再生」を村上春樹的風俗の中で扱った短編。

ハルキスト以外はお勧めしない →☆☆


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