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ロード・オブザ・リング (2001年 ニュージーランド・米) [日記(2008)]


ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション

ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


 トールキンの『指輪物語』の映画化です。物語としてはそれほど凝ったものではないのですが、劇場、DVDと何度も観ています。何度観ても飽きないのは、つまるところスケールの大きい特撮にあるのでしょうか。
 ファンタジーですから善悪がはっきりしていて、オークを先兵として世界制覇をもくろむサルモンの悪、世界をサルモンの魔手から守るホビット、人間、エルフの善。あれこれ思い悩む必要もなく、壮大な善と悪の戦いを特撮で堪能すればいいわけです。
 指輪の来歴とサルモンの復活に対抗するホビット族、人間族、エルフ族、ドワーフ族の戦いの幕が開きます。指輪は元々サルモンのものだったのですが、サルモンとの戦いで人間が奪い、サルモンを葬ったのです。復活を目論むサルモンはナズグルに指輪を探させます。指輪がサルモンの手に渡ると世界が暗黒で覆われてしまうという危機的状況で、指輪を葬るためホビット族、人間族、エルフ族、ドワーフ族が協力します。この指輪を葬る旅の試練が、『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』三部作の主旋律となり、サルモンの手先オークとの戦いや、指輪を狙うゴラムのエピソードがからんで壮大なファンタジーとなります。
●『旅の仲間』
 シリーズ第一話で登場人物はあらかた揃います。指輪を持つ主人公のフロド・バギンズ、従者サム(ホビット)、旅の仲間のリーダーで剣の使い手、人間族の王の末裔アラゴルン、弓の名手エルフのレゴラス、愉快なドワーフのギムリ、ゴンドールの執政の息子ボロミア、そして旅の仲間を導く魔法使い灰色のガンダルフ。加えてフロドの友達ピピン、メリー。この総勢9人が指輪を葬る旅に出ます。
 第1話の見どころは、なんと云ってもCGを駆使したドワーフの地下宮殿とオークやトロルとの戦いでしょう。

●『二つの塔』
 シリーズ第二話。個人的にはこの第二話が一番好きです。なんといってもヘルム峡谷『角笛城』の攻防は圧巻です。数百人の守りに数万?のオークが攻め立てる壮絶な戦闘場面は何度見ても飽きません。セオデン王は絶望的な状況の中で、最期の決戦に打って出ますが、東方から朝日とともにガンダルフ率いるローハン軍が救援に駆けつける場面などは、まさに『騎兵隊』ですね。

●『王の帰還』
 シリーズ第三話。物語はカタストロフィーの後大団円に終わります。第三話も見所は多いですね。ゴンドールの都ミナス・ティリスからローハンに救援の『狼煙』があがり、山頂から山頂へと狼煙がリレーされてゆく描写は美しく、古代の通信はかくあったのかと思われます。またまた特撮の戦闘場面ですが、ミナス・ティリスの攻防も見物です。象の戦車や竜を駆る魔神(ナズグル)が出てきたり戦闘場面は迫力満点です。
 セオドア王の姪エオウィンとナズグルの戦いも面白いですね。人間の男では倒せないナスグルを男装のエオウィンが倒します。これもどっかで聴いたような話しです。
最期に、オーク軍はアラルゴン達が率いる死の谷の亡者によっ壊滅させられるのですが、この亡者の軍勢も何処かで聞いた話ですね。亡者は、過去の呪いによって死んでもあの世に行けず、この世とあの世の間で永遠に生き続ける運命を背負っています。あぁ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』も同じ設定ですね。勝利の後に、アラルゴンに呪いを解かれ風のように消え去ります。
 余談ですが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の主演はオーランド・ブルーム(レゴラス)なのか、ジョニー・デップなのでしょうか?

◆ゴラム(スメアゴル)について
 (原作は知りませんが)このシリーズでのゴラムの位置づけです。ホビットの一代前の指輪の持ち主で(サルモンの命を受けているのか定かではありませんが)、指輪を取り戻すために執拗にフロドにつきまといます。指輪の誘惑に負けて仲間を殺して指輪の持ち主となり、それを失って指輪が忘れられずにフロドを追うという、執念というより『業』に支配された存在として描かれます。(最初は普通のホビットだったらしいのですが)指輪によってその姿も醜いゴラムと変じ果てています。
 後、フロドによってスメアゴルと言う本来の名前を取り戻し、フロドとサムをモルドールの『滅びの山』に導きます。この「名前を取り戻す」という場面は(原作にあるかどうか知りませんが)メタファーです。『二つの塔』の一場面だったと思いますが、フロドとサムが寝静まった深夜、泉に自分の顔を写し、ゴラムとスメアゴルの二重人格の間をさまよう場面は哀れです。
 ゴラムとは何者なのか?善悪のはっきりしたこの物語で、唯一その存在が揺れ動く登場人物です。唯一では無かったですね。指輪の誘惑に負けそうになるボロミア、ボロミアの父でゴンドールの執政・デネソールもこの系統に属する登場人物です。

◆木の牧者エント
 木が人格を持つという設定はめずらしくありません。森を焼く悪の魔法使いサルマン(クリストファー・リーなんですね)にエント達が反撃に出ますが、何かエコロジーくさくて感心しません。エントの特撮も安っぽいような。

◆アルウェンあるいはエルフについて
 映画によると、エルフは数百歳(または永遠の)命を持つようです。アルウェンは人間アラルゴンに恋し、永遠の命よりも一時の限りある命を選択しようとします。父エルロンドはアラルゴンのや子供の死を看取らねばならない悲劇をもって諭しますが、アルウェンはアラルゴンを選択します。この辺りもまぁ神話や民話によくあるパターンなのですが、リヴ・タイラーの美しさで許してあげましょう。

◆特撮について
 ぜんぜん詳しくないので何も言えませんが、ホビットやドワーフと人間が同時に登場する場面は実写です。ホビットやドワーフは小人ですから、人間やエルフとは身長差があるわけですが、これを実写で表現するとなると厄介で苦労が出ています。顔が見えないときは、時々子供を使っていますね。『王の帰還』の最期の方、フロドとサムがオークの甲冑を着てモルドールの『滅びの山』を行く場面なんか、完全に子供を代役に立てていますね、歩き方が何となく幼児っぽいです。特撮で逃げることが出来たでしょうが、あえて実写しているのは何か意味があるのでしょうか?
 ドワーフの地下宮殿、ヘルム峡谷やミナス・ティリスの戦闘場面は凄いですね。

なんだかんだと文句を連ねましたが、間違いなく大作でしょう。この後何度でも観るでしょう(実は連休に3本連続で観ました)。

監督・製作:ピーター・ジャクソン
音楽:ハワード・ショア(主題歌:エンヤ)
キャスト
・フロド・バギンズ(ホビット):イライジャ・ウッド
●サム:ショーン(ホビット)・アスティン →パティ・デュークの息子さん。
・ピピン(ホビット):ビリー・ボイド
・メリー(ホビット):ドミニク・モナハン
●ガンダルフ(魔法使い):イアン・マッケラン →『ダ・ヴィンチ・コード』や『ライラの冒険/黄金の羅針盤 』に出演、ナイトだそうです。
・アラゴルン:ヴィゴ・モーテンセン
・ギムリ(ドワーフ):ジョン・リス=デイヴィス
・レゴラス(エルフ):オーランド・ブルーム →この人は『パイレーツ・オブ・カリビアン』で有名ですね。
・デネソールの息子ボロミア:ショーン・ビーン
・森の女王(エルフ):ケイト・ブランシェット
・サルマン(魔法使い=悪役):クリストファー・リー →もったいなくも、『ドラキュラ』のクリストファー・リーです。
・裂け谷の主人エルロンド(エルフ):ヒューゴ・ウィーヴィング →『マトリクス』のエージェント・スミスですね。『マトリクス』のイメージが強すぎて見ていてエージェント・スミスがチラチラしました。
・アルウェン:リヴ・タイラー →綺麗ですね、アングロサクソンという雰囲気が無いのが好きです。
・セオデン(ローハンの王):バーナード・ヒル →バーナード・ヒルだ。
・エオウィン(セオデの姪):ミランダ・オットー
・ファラミア:デビッド・ウェナム
・デネソール(ゴンドールの執政でボロミアの父):ジョン・ノーブル  などなど。
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