映画 モンパルナスの灯 (1958仏) [日記(2009)]
ただただ、アヌーク・エーメが見たい、で観ました。伝説の画家モディリアーニと、恋人ジャンヌ・エビュテルヌを描いたラブ・ロマンスともちょっと違った、『フランス映画』としか云いようがありません。映画としては、1958年の製作ですから、今観ると『古い』です。ジェラール・フィリップ、アヌーク・エーメの美男美女コンビですから、古いモンパルナスの町並みを背景に、絵にはなっています。リノ・ヴァンチュラがいい。画商として、ストーリーとは全く関係なく登場します。画商ズボロフスキーの献身的な支援とは裏腹に、モディリアーニを評価しながら『生きている間は売れない』、『死んだら絵を全部買い取る』などと云って、芸術の『死に神』として登場します。このリノ・ヴァンチュラの存在が、まさに『フランス映画』そのものでしょう。
『モンパルナスの灯』を観るきっかけは、8月13日にNHKハイビジョン特集「生きた、描いた、愛した~モディリアーニとその恋人の物語~」(再放送)をみたことにもよります。そこで初めて、このジャンヌの存在を知りました。モディリアーニとジャンヌの遺児ジャンヌ・エビュテルヌ(母親と同じ名前)が後に美術史家となり
このモディリアーニですが、名だたる女たらしだったようで、ジャンヌと知り合う前にも多くの女性と浮き名を流し、ジャンヌと同棲してからも外で子供まで作っている様です。映画でも、避けて通れないのでサラリと描いていますね。30枚の肖像画を残している辺りから、なんだかんだと云ってもジャンヌは最愛の人だったのでしょう。最後は結核と酒と薬物中毒で死にますが、死の二日後にジャンヌは後を追って投身自殺を図りますが、二人目を身ごもっていたとのことです。そう思って16歳のジャンヌの写真を見ると、19歳で両親の反対を押し切ってモディリアーニ(33歳)と同棲を始め、モディリアーニに殉じた女性の情熱が伝わってくるように気がします。
監督:ジャック・ベッケル
キャスト:
ジェラール・フィリップ
リノ・ヴァンチュラ
アヌーク・エーメ
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