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映画 Vフォー・ヴェンデッタ(2005米英独) [日記(2010)]

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD
 脚本と制作が『マトリクス』のウォシャウスキー兄弟、主演がエージェント・スミスのヒューゴ・ウィーヴィングですから見ないわけにはいきません。

 原作はイギリスのコミックで、1605年にイングランドで発覚した火薬陰謀事件(Wikipedia)が下敷きになっているようです。火薬陰謀事件は、カトリックによるジェームズ1世暗殺未遂事件です。ジェームズ1世はエリザベス1世と対立したスコットランド女王メアリーの子供で、エリザベス1世の跡を継いでイングランド王となる人物です。スチュアート朝ですね(歴史の勉強してどうするんだ、笑)この頃は、例のヘンリー8世の英国国教会問題を引きずっていて、カトリックの過激派が仕掛けたテロで、この中心人物がガイ・フォークス。発覚して処刑されるのですが、イングランドでは極悪人、カトリックが強いスコットランドでは志士となるわけです。これが、政府に刃向かうテロリストV(ヒューゴ・ウィーヴィング)が、ガイ・フォークスの仮面を付けている理由です。Vは11月5日に国会議事堂に集まるよう市民に呼びかけますが、これもガイ・フォークスの事件に倣っています。英国人なら、最初のガイ・フォークスの処刑シーンで理解できるんでしょうが、日本人にはちょっと・・・。

 第3次世界大戦後の近未来のイギリスが舞台です。そこは秘密警察と国営放送によるプロパガンダによって人々が支配される全体主義国家という設定です。自由を取り戻すために国家に反旗を翻すのがVです。原題はV for Vendetta。Vendettaは辞書で見ると復讐という意味のようで、VはVendetaのVということです。このVによる復讐と復讐の動機が映画の主題で、Vにからむ女性がナタリー・ポートマンです。仮面の義賊というと解決ゾロですね、仮面は被っていませんがウィリアム・テルというのもあります。そう考えると意外と古風な物語かもしれません。

 全体主義のイギリスはナチや、独裁国家の北朝鮮を想像させます。イギリス支配は、生物兵器(ウィルス)によって行われ、Vの復讐もこのウィルスの人体実験に根ざしているという設定です。この設定は、昨今の映画事情であれば致し方無いのでしょうが、ちょっとありきたりです(原作通りなんでしょうが)。Vを追うなかで、この謎が徐々に明らかになってくるというミステリー仕立ては悪くはないのですが、機械が支配する仮想世界という『マトリクス』を見ていますから、ちょっと拍子抜けしますね。

 コミックの映画化は流行りですが、バットマンとは違ってVは如何にもイギリスらしいダーク・ヒーローです。スーパーカーにも乗りませんし使う武器は剣で、隠れ家で本と美術品に囲まれて暮らしています。エプロンつけて目玉焼きを作るシーンは笑ってしまいます。

 ヒューゴ・ウィーヴィングですが、ずっと仮面を被りっぱなしで一度も素顔をさらしません。パントマイムで演技をしているのですが、これがけっこう違和感なく見れます。ナタリー・ポートマンは坊主頭で頑張っていますが・・・。『マトリクス』を期待して見ると裏切られますが、これはこれで面白いです。

監督:ジェームズ・マクティーグ
制作脚本:ウォシャウスキー兄弟
出演:
ヒューゴ・ウィーヴィング
ナタリー・ポートマン
スティーヴン・レイ
ジョン・ハート

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ガイ・フォークス

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