映画 デジャヴ(2006米) [日記(2010)]
原題“Deja Vu”は『既視感』。今現実に見ているシーン(体験)は過去の何処かで見たことがあると感じる心理学上の現象、感覚を云います。疲労が激しい時に現れると習ったことがあります(私も体験済み)。この既視感を使った小説は多いと思いますが、『デジャヴ』もそのひとつです。
フェリーが爆破され5百余名の犠牲者がでます。この事件を捜査するATF(アルコール、タバコ、火器等取締局)のカーリン(デンゼル・ワシントン)が、フェリー爆破の被害者と思われる女性の死体とぶつかったことからストーリーが展開します。
この時点では観客には分かりませんが、カーリンはこの死体(クレア)を見て『既視感』感じます。タイトルが『デジャヴ』の所以です。
死体の発見はフェリーの爆破以前であり、死体をフェリー爆破の被害者に見せかけたとすれば、その犯人こそがフェリー爆破につながることとなります。このクレアの自宅で、カーリンはyou can save her(彼女を助けることができる)という文字と血の付いた衣服を発見し、留守番電話にはなんとカーリン自身の声が録音されてたのです。生前の彼女から電話があり、折り返し電話した伝言が残されていたのです。おまけに、この部屋を訪れたときに彼は手袋をしていたにもかかわらず、部屋のいたる所からカーリンの指紋が検出されます。謎また謎、こうなると完全に映画の世界にはまってしまいます。
カーリンはFBI捜査官プライズワーラ(ヴァル・キルマー)とともに、フェリー爆破捜査の特殊なチームに編入されます。このチームというのが、衛星を使った熱感知により一定地域の映像を室内までリアルに再現する、という装置を駆使するとんでもないチーム。謂わばGoogle Earthの高機能版ですね。おまけに、コンピュータ処理に時間がかかる為、4日半前の映像しか再現できず、しかも巻き戻しが出来ないという代物です。どう考えても、人体の発する熱を遙か彼方の衛星が感知出来るはずもないのですが、まぁ見てのお楽しみです。
ここまでが序盤。この後、投げかけられた謎がひとつひとつ解かれるわけですが、サスペンスあり、アクションありでなかなか面白いです。ところどころ?はあるのですが、一級のエンタテイメントに仕上げっています。面白いので今回はネタバレ無しにします。お薦めです。
FBI捜査官を演じているヴァル・キルマーですが、『トップガン』のアイスマンです。太っているので分かりませんでしたが、横顔が写ると納得。テロリストのジム・カヴィーゼルは『パッション』でイエスをやってます。テンゼル・ワシントンは『アメリカン・ギャング・スター』『インサイドマン』に続き3本目ですが、期待を裏切らない演技です。製作のジェリー・ブラッカイマーですが、ナショナル・トレジャー 、パイレーツ・オブ・カリビアンなどを手がけたヒットメーカーらしいです。『トップガン』も彼のプロデュースです。監督のトニー・スコットはジェリー・ブラッカイマーと組んで『トップガン』を撮っています。
監督:トニー・スコット
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:
デンゼル・ワシントン
ポーラ・パットン
ヴァル・キルマー
ジム・カヴィーゼル
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