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デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会 [日記(2010)]

というのが、なかなか面白かったので抄録。


◆文科省 副大臣
このままでは、日本の出版界は海外からの波にさらわれてしまうという危機感がある。日本としての落とし所を探るための場を設けた。
 ⇒得意の『護送船団』方式です。お役所に乗り出して貰わなければ何も出来ない民間も情けない。

◆総務省 副大臣氏
AmazonやAppleの取り組みを否定するつもりはないが、資本力を持った人だけが電子書籍市場を独占してしまうというのは好ましくない。国立国会図書館を巻き込みながら、国として規格を統一したい。
 ⇒『国立国会図書館を巻き込みながら』、これ大賛成です。民間から巻き上げて、蔵書を一番持っているのが国会図書館ですから、知のアーカイブを還元しないと。

◆出版社
出版社がこれまで、作家や漫画家といった才能の「卵」を見つけ出して成長に投資し、時間をかけて回収しながら次の卵に再投資してきたことで、小説や漫画などが日本の文化として発展してきたと指摘。電子書籍という新たな市場を発展させるためにも、出版社の存在が重要。
 ⇒別に、出版社だけが文化の発展に寄与してきたわけではないでしょう。件の出版社に言われるのもチョット。

◆作家
作家に投資し、育てているのが出版社だ。次々と作品をつくり出す人を生み出す環境作り、人材を育てる部分にもフォーカスして欲しい。
デジタル化により、より良い出版物が未来に向けて継続的に作れることが最も重要だ。
 ⇒アンタの小説はあまり読んでいない。

◆漫画家
デジタル化そのものは新しい時代の到来だと思うが、図書館問題が置き去りにされたままだ。
デジタル化を進めるときに、図書館への納品制度は続くのか。書く側が疲れ果てて倒れないような仕組みをお願いしたい。国の姿勢として、『本はタダで読めるもの』というのをずっと続けて行くのか。タダは文化を育てる力に結びつくのか。本気で話し合える場にして欲しい。
 ⇒タダでも読みたくない本もあります。特にマンガは。

◆日本書店商業組合連合会
書店の商売を考えると、図書館の存在は厳しい。デジタル化が進むことで図書館に行かなくても本が借りられるようになれば、おそらく本屋に行くことがほとんどなくなるだろう。地方ではすでに絶滅的に本屋がなくなっており、たとえば青森や島根では(日本書店商業組合連合会の)組合員数は数十店しかない。こういう状態の中で、今後本屋との共生をどうするかについても議論して欲しい。
 ⇒売れる本しか並べない書店は潰れる運命にあるのでは?あんたの言う『青森や島根』の人にはAmazonがあるんですが。

◆国立国会図書館長
国会図書館がデジタル化した書籍データを有料で提供し、出版業界に利益を還元するというアイデア。
 ⇒別にタダにしろとは言いません。どしどし電子化してください。好きな本を電子化していいならボランティアでお手伝いします。

◆端末メーカー
Kindleが喜ばれている理由の1つは、お年寄りの人が使う際に簡単に文字が大きくなるから。視覚に障害のある人でも音声読み上げで本が読めるなど、デジタル化することで生まれるメリットがたくさんある。映画の歴史は100年程度、音楽も数百年程度だが、テキストは人類創世以来の長い歴史を持つ文化遺産だ。これをきちんと後世に伝えなければ、我々は後世に恨まれる。
米国で公共図書館と一緒に書籍のデジタル化をしているが、そこでは紙とデジタルデータをそれぞれ貸し出しており、どちらも2冊ずつまでしか1度に借りられないようにしている。デジタルデータは貸し出しから1週間経つと読めなくなり、次の人が借りられる仕組みだ。

日本のものづくりのパラダイムシフトが起きていると感じている。過去、日本のものづくりはすり合わせ型と言われてきたが、今までの部品レベルのすり合わせだけでは対応できない。これからはハードとコンテンツ、ソフトといった、知的なすり合わせが必要になる。
 ⇒後段は卓見です、さすがシャープ(駄洒落)。

◆有識者(大学教授)
著者へのコメントやフィードバックをリアルタイムにできたり、新たな形の広告を埋め込んだり、マーケティングに活用したりといったように、新しい需要を起こせる創発型の出版物の可能性を議論したい。
 ⇒常識的ですねぇ。

◆通信キャリア
ネットというと『コンテンツがすべて無料になる』と恐れを抱く人もいるだろうが、我々は作品の価値をきちんとユーザーに届け、対価を得て著作者に還元することを大切にしてきた。これがうまくいったのがモバイルコンテンツ業界であり、世界に誇れるモデルだと考えている。モバイルコンテンツをきっかけに書籍やCDが売れることもよくある。デジタルとリアルが共存して、全体としてプラスになるようなビジネスモデルを作れればいい。
 ⇒着うたのことらしいですが・・・。


懇談会は今後、技術に関するワーキングチームと、出版物の利活用のあり方に関するワーキングチームの2班に分かれて議論が進められる。それぞれ月に2回ほど会合を開き、最終的に懇談会での議論を経て6月をめどにとりまとめをする計画。


だそうです(議事録出たら観てみたい)。利害の調整に終わらず、国家百年の計に立って頑張って欲しいですねぇ。


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