映画 ビューティフル・マインド(2001米) [日記(2010)]
ラッセル・クロウの演技に脱帽です。『ビューティフル・マインド』はノーベル賞受賞の数学者、ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)の半生を描いたものです。
ノーベル賞を貰う程ですからナッシュは天才で、天才と狂人は紙一重のごとく。精神病によって正気と狂気の狭間でゆれるなナッシュは妻アリシア(ジェニファー・コネリー)の献身的な愛に支えられノーベル賞の栄誉に輝くという、まことに『感動的』な映画です。ナッシュの奇矯で純真無垢な心が『ビューティフル・マインド』なのでしょう。と単純でないのがこの映画の面白いところです。
ラッセル・クロウは演技派と云われ、そこそこ観てきて『何処が?』と思っていましたが、『ビューティフル・マインド』のナッシュの変人ぶり狂人ぶりは特筆に値します。歩き方喋り方(英語だからよく分かりませんが)からちょっとしたしぐさ迄、この天才にして狂人の『さもあらん』姿を(実際はどうであったかは別にして)余すところ無く演じています。この演技を観ているだけで2時間がアッという間です。
天才数学者ですから舞台はプリンストンにMIT、米軍の戦略研究所などで、会話にも数学用語頻出で、素人には何の事か分かりません。
ナッシュがアリシアにプロポーズ場面も傑作です。
ぼくらの関係は一生続くと思う?証拠が欲しい、信頼できる経験的データが欲しい(ナッシュ)
証拠?経験的データ?いいわ、宇宙の大きさはどれほど?(アシリア)
無限。(ナッシュ)
何故分かる?(アシリア)
データがある(ナッシュ)
でも証明されていないわ(アシリア)
でも信じている(ナッシュ)
愛もそれと同じよ(アシリア)
ラッセル・クロウの演技とともに、ナッシュの狂気の世界が面白いです。ナッシュの幻聴幻覚と(映画としての)現実が同じ画面に現れるのですから、楽しいです。
ナッシュがプリンストンに復帰しての話しですが、ノーベル賞受賞の話しを持ってきた人物が幻覚か現実かの区別が付かず、傍らの女子学生に『君にも見える?』と聞きます。笑ってしまいます。ネタバレなので書きませんが、現実と幻覚が入り混じるストーリーが『ビューティフル・マインド』の2つ目の面白さです(1番目はラッセル・クロウの演技)。ナッシュとアリシアのラブストーリーとも云えますが、ナッシュの幻覚の描写を観るとこれはサスペンスでは?と思ってしまいます。
ラッセル・クロウは、前年に『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞を獲っていますから、この年はゴールデングローブ賞 主演男優賞を貰っています。代わりにジェニファー・コネリーが助演女優賞貰い、作品賞、監督賞、脚色賞と評価は高かった様です。
ナッシュの精神病を治療する老医師クリストファー・プラマーですが、『サウンド・オブ・ミュージック』の大佐ですね。『12モンキーズ』『ナショナル・トレジャー 』『インサイド・マン』と重厚な脇役として活躍しているようです。
監督のロン・ハワードですが、『ダヴィンチコード』『天使と悪魔』はもうひとつでしたが、『ビューティフル・マインド』には感心しました。
ノーベル賞授賞式の一部です・・・観ていただくと分かります。
監督:ロン・ハワード
出演:
ラッセル・クロウ
エド・ハリス
ジェニファー・コネリー
クリストファー・プラマー
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