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映画 光州5.18(2008韓) [日記(2010)]

光州5・18 スタンダード・エディション [DVD]

光州5・18 スタンダード・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD
 有名な、1980年の韓国・光州事件を題材にした映画です。
 光州事件は、大統領・朴正煕暗殺事件の後、一時的に訪れた民主化の波(ソウルの春)が全斗煥の軍事クーデターによって潰される過程に起こった、光州市民と軍部との抗争です。死者2百数十人と言われていますが、その正確な数は今もって不明のようです。

 映画は、タクシー運転手の兄と高校生の弟を軸に、デモ鎮圧部隊の銃撃で弟死に、兄が光州事件に積極的に関わってゆく様を描いています。この兄弟に、兄が思いを寄せる看護師が花を添え、元陸運大佐の看護師の父が配され、元陸運大佐の指導する市街戦で、活動家達は華々しく散って光州事件は幕を閉じます。

 冒頭、陸軍空挺部隊が暴徒鎮圧のため光州に派遣されます。軍事クーデターに反対する学生運動の排除が、市民を巻き込んでの市街戦にまで発展します。事件は、軍による光州市制圧によって僅か10日で終熄し、多くの死者と逮捕者出しています。 こうしたデモや騒乱は首都で発生することが普通で、何故地方の全羅南道の光州で起こったのかです。背景には、全羅南道出身で後に大統領となる民主化運動を率いた金大中の逮捕があり、根深い全羅道と慶尚道の対立、新羅、百済、高句麗の三国時代まで遡るようです

 『光州5.18』はこうした背景には全く触れていません。無抵抗の市民を棍棒で殴る兵士、デモ隊への無差別銃撃などを描き、鎮圧部隊が如何に非道であったか、光州市民が如何に戦ったかのみを描いています。家族のつきあいで韓国ドラマを見ることがありますが、これらのドラマ同様にたいへん分かりやすい映画です。分かりやすいだけに、映画としては不満が残ります。
 軍事政権から文民政権への移行過程で、光州事件は、暴徒による騒乱事件から民主化運動と評価が変わっています。韓国では歴史的な事件であり悲劇だった筈です。この光州事件を後生に残すという意味では価値があるのでしょう。

監督:キム・ジフン
出演:キム・サンギョン、イ・ヨウォン


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