雑感 映画のタイトル [日記(2010)]
先日見た『あるいは裏切りという名の犬』というタイトルには感心しました。何のことか分からないと云う意見もありそうですが、よくできたタイトルだと思います。原題は“36 Quai des Orfevres”で「オルフェーヴル河岸36番地」(Wikipedia)ですから、邦訳をそのままタイトルにするわけにもいきませんからそれらしいタイトルに知恵を絞った様子がうかがわれます。
1)何これ?
2)『裏切り』『犬』→警察?
3)ハードボイルドらしい
キャプションは
実話に基づく、激しくも切ない宿命の物語
ですが、キャプション不要のタイトルだと思います。見ましたが、まさにタイトル通りの『あるいは裏切りという名の犬』でした。
最近の映画タイトルは原題ズバリのもの(アバターなど)が多いようです。ヘタに気の利いた邦題を付けようなものなら『ウザイ!』ということになるのでしょうね。グローバルな社会ですから、世界共通の『アバター』でいいわけでしょう。『トランスポーター』に『運び屋』というタイトルを付けたらヒットしなかったでしょうね。
見たなかで、面白そうなタイトルを探してみました。
●俺たちに明日はない【Bonnie and Clyde】
⇒出色のタイトルです。ヒットに気をよくして(アメリカン・ニュー・シネマだし)『明日に向って撃て!(Butch Cassidy and the Sundance Kid )』が登場します。現在であれば『ボニーとクライド』っていうタイトルになるんでしょうねぇ。
●未知との遭遇【Close Encounters of the Third Kind】
UFOとの遭遇を『第3種接近遭遇』と云うそうですが、『未知との遭遇』の方がロマンをかき立てます。
●光州5.18【華麗なる休暇】
⇒邦題の方が直裁的よく分かります。『光州5.18』では生々しすぎて『華麗なる休暇』とマイルドにしたのでしょうか?
●善き人のためのソナタ【:Das Leben der Anderen、英題:The Lives of Others】
⇒『他人の生活』ではちょっと・・・。
●最高の人生の見つけ方【The Bucket List】
⇒bucket shop(旅行代理店)という用例が辞書にありました。字幕では『棺おけリスト』と訳されていました。
●モンタナの風に抱かれて【The Horse Whisperer】
⇒こういう逃げ方もありますね。
●ショーシャンクの空に【The Shawshank Redemption】
●扉をたたく人【The Visitor】
●めぐりあう時間たち【The Hours】
●遠い空の向こうに【October Sky】
●愛を読むひと【The Reader】
●荒野の用心棒 【A Fistful of Dollars】
●宮廷画家ゴヤは見た【Goya's Ghosts】
●今宵、フィッツジェラルド劇場で【A Prairie Home Companion】⇒ラジオ放送の題名
●地獄の黙示録【Apocalypse Now】
苦労の跡がうかがえます。
●潜水服は蝶の夢をみる【Le scaphandre et le papillon 英題:The Diving Bell and the Butterfly】
●存在の耐えられない軽さ【The Unbearable Lightness of Being】
⇒このふたつは最高なんですが、直訳です。
『あるいは裏切りという名の犬』と『俺たちに明日はない』のふたつは、映画史に残るベストタイトルだと思います。『地獄に堕ちた勇者ども』というのあります、今度見てみます。なんか面白いタイトルあったらお教え下さい。
各映画の詳細は ⇒コッチです
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