映画 ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005米加) [日記(2010)]
原題:A History of Violence。
白昼、トム(ヴィゴ・モーテンセン)の営む小さなレストランに強盗が入ります。従業員に危害が加えられそうになって、トムは相手の拳銃を奪い、いとも鮮やかに2人に強盗を射殺します。大々的にマスコミに取り上げられ、トムは一躍街の英雄となり、これがトリガーとなって物語は展開します。
事件の後、マフィアのボス(エド・ハリス)が店に現れトムをジョーイと呼び執拗に付きまとうこととなります。マフィアのボスはトムの妻エディ(マリア・ベロ)に、トムはジョーイ・キューザックというマフィアであること、トムによって左目を潰されたことなどを告げます。トムは否定しますが、エディの疑惑は次第にふくらみ、幸せだった一家の生活が破壊されそうになります。
果たしてトムはジョーイというマフィアなのか?、不信に陥った妻との愛は修復されるのか?、このふたつで引っ張ってゆきます。
2カ所ほど過激なセックス・シーンがあります。最初のシーンではエディがトムを誘い、後のシーンではトムがエディを求めますが、ふたりの関係と心象をうまく描き出しています(特に後のシーン)。
すべてを終えてトムは家に帰り着きます。トムを迎えるふたりの子供とエディ、何も語らないラストシーンがこの映画のハイライトかもしれません。
頭の禿げぐあいでエド・ハリスは分かりますが、ウィリアム・ハートはちょっと分かりませんでした。何時もかっこいいエド・ハリスはマフィアのボスで登場しますが、あっけなく殺されてしまいます。ウィリアム・ハートも悪役で登場。どちらかと云うと知的で温厚なウィリアム・ハートがこれもマフィアの親分ですから、これは分かりませんでした(《スモーク》の印象が強すぎて)。ヴィゴ・モーテンセンは《ロード・オブ・ザ・リング》以外ほとんど見たことはありませんが、一見ダイコン役者風、内に何かを秘めた男が似合います。昔の高倉健を思い出しました。
これはお薦めです。
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:
ヴィゴ・モーテンセン
マリア・ベロ
エド・ハリス
ウィリアム・ハート
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