映画 コーラス(Les Choristes 2004仏) [日記(2010)]
1949年、問題児ばかりを集めた特殊学校《池の底》の新任教師マチュー(ジェラール・ジュニョ)が、少年達に音楽を教え合唱団を作ることでを更正に導く、というよくあるストーリーです。
規律と体罰で少年達を矯正しようという校長が配され、後援者に音楽教育を評価されると自分の手柄にすり替える辺りは定石でしょう。特別に歌のうまい少年モランジュが登場し、マチューはその母親に淡い想いを抱くのもまたありそうなストーリー。いろいろあって、マチューは学校を首になります。校長は少年達の見送りを禁止し、少年達は紙ヒコーキに別れの言葉を書いて飛ばし、合唱によってマチューを見送ります。これも定番。マチューの最後の独白、
私はマチュー、落ちこぼれの音楽家、失業した教師・・・
人の心に想い出を刻んで通り過ぎる無数の名もない人々の呟きのようです。
マチューが《池の底》に赴任するシーンで、門扉に寄りかかり来るはずもない父親の訪れを待つ孤児の少年ペピノが登場します。マチューが去る時にペピノは連れて行ってくれとせがみ、一度は拒絶したマチューは結局ペピノを連れて学校を去ります。冒頭とラストが見事につながっている辺りはうまいものです。さらに、成長したペピノが音楽家となったモランジュの元を訪れ、ふたりの回想として映画が成り立っている構造は、『ニュー・シネマ・パラダイス』と同じですね。
『コーラス』には取り立てて新鮮さを感じるわけではありませんが、定石通りの映画を見る安心感があります。
成長したモランジュを演じるのが、『ニュー・シネマ・パラダイス』でこれも成長したトトを演じたジャック・ベラン。『コーラス』では制作にも携わっています。マチューを演じたジェラール・ジュニョはうまいですね。この人は『パティニョールおじさん』という映画で、監督、制作、脚本、主演と4役をこなしているようです。監督のクリストフ・バラティエは08年に『幸せはシャンソニア劇場から』を撮っていますが、当然の如く?ジェラール・ジュニョが出ています。機会があったら見てみたいです。
監督:クリストフ・バラティエ
製作:ジャック・ペラン
出演:ジェラール・ジュニョ 、ジャック・ペラン
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