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映画 ミス・ポター(2006英米) [日記(2010)]

ミス・ポター (初回限定生産 特製パッケージ) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD
 何処の家にも一つか二つ転がっていそうなキャラクター、ピーター・ラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの物語。ピーター・ラビットが出版されたのが1902年ということですから、以外と古いですね。1902年といえばビクトリア朝の終わりの頃で、産業革命から始まったイギリスの黄金時代の盛りが過ぎた頃です。コナン・ドイルがシャーロック・ホームズを登場させ、ルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』を書いた時代です。映画で言うと、『オリバー・ツイスト』(ディケンズ)と『めぐりあう時間たち』(ヴァージニア・ウルフ)の間のくらい。『フランケンシュタイン』のメアリ・シェリー、『嵐が丘』『ジェーン・エア』のブロンテ姉妹もビクトリア朝ですから、女性の社会進出が始まった時代でもあったのでしょう。

 そうした時代に、ピーター・ラビットを生み出したロンドンの上流家庭の32歳の“ミス”ポターの物語です。映画の中で『32歳にもなって結婚もせず・・・』とか母親に言われていますが、何時の時代も同じですね。ユアン・マクレガーが出るんですから、そうなるんだろうと想像したとおりの展開です。ピーター・ラビットを出版して世に出し、ビアトリクスに求婚するユアン・マクレガーは、創作かと思いましたが実在のようです。

 映画でも出て来ますが、ナショナル・トラスト運動とビアトリクス・ポターの関係です。彼女が移り住んだ湖水地方の家Hill Topを検索するとNational Trustのサイトにあります。映画で、ミス・ポターは古い田舎の景観を残すために売りに出された農場を、ピーター・ラビットの印税で次々と買収しますが、後にこれをそっくりナショナル・トラスト運動に委託しています。
 地衣類が菌類と藻類の共生関係であることを提唱した最初の一人であったり、国立植物園の研究員になろうとしたり(いずれも女性であることによって認められなかった、Wikipedia)、当時としては先進的なナチュラリストでもあったようです。映画ではそうした側面は、農場の買収以外バッサリと切り捨てられていることは残念です。地衣類やナショナル・トラスト運動を描くより、ユアン・マクレガーとの恋を描く方が、映画としては普通でしょうね。ピーター・ラビットを生み出した湖水地方の風景がきれいです。

beatrix_potter_hill_top.jpg Hill Top house.jpg
Beatrix Potter             Hill Top

監督:クリス・ヌーナン
出演:
レネー・ゼルウィガー
ユアン・マクレガー
エミリー・ワトソン


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