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映画 地下室のメロディー(1963仏) [日記(2010)]

地下室のメロディ [DVD] この時代のフランス映画のタイトルは配給会社が凝ったタイトルを付けるので、『地下室のメロディー』もそうなんだろうと思いましたが、本当にMelodie en sous-sol(地下室のメロディー)でした。映画の中身と地下室もメロディーも関係ないのですが、なかなかいいタイトルで雰囲気はよく出ています。

 ジャン・ギャバン、アラン・ドロンのフィルム・ノワールです。カジノから10億フランを盗み出すストーリーですが、舞台がカンヌの一流ホテルのカジノですから、ジャン・ギャバンもアラン・ドロンもタキシードに身を包んで強盗をやるわけで、お洒落です。あまりトラブルも無く成功してしまうんで気が抜けてしまいますが、当然の如くラストで犯罪は破綻します。これもお洒落でカッコヨク破綻しますからこのラストシーンのためにそれまでのドラマがあると云ってもいいでしょう。
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 ドラマと直接関係は無いのですが、3人の中年女性が登場します。
 ひとりはジャン・ギャバンの奥さん。ジャン・ギャバンが刑務所に入っている間、昔の職業である美容師で生計を立てて、彼の財産に手を付けなかったというしっかり者。ジャン・ギャバンがもう一仕事すると言うのを聞いて、バカは卒業しろと言い放ちます。
 もうひとりはアラン・ドロンの母親。こちらも刑期を終えて出所し、3ヶ月もぶらぶら遊んでいる息子を叱り飛ばします。
 さらに、ジャン・ギャバンにカジノの図面を渡す元ギャングの奥さん。こちらも夫が刑務所に入っている間にサウナを始めて大当たり。元ギャングは奥さんに首根っこを押さえられて頭が上がらず、今回の仕事には参加しません。

 仕事は失敗しますから、ジャン・ギャバンは美容師の奥さんの元に、アラン・ドロンは口うるさい母親のいる実家に帰るのでしょう。すごすごと帰る彼等の映像とエピソードはありませんが、前半でこの3人の女性のネタを振っていますから、映画は当然この結末を含んでいるわけです。すごいアイロニーです。

ジャズ風の音楽もすてきです。

監督:アンリ・ヴェルヌイユ
出演者:ジャン・ギャバン アラン・ドロン

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