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映画 クライム&ダイヤモンド(2000米) [日記(2011)]

クライム&ダイヤモンド ~スペシャル・エディション~ [DVD]
 連休のDVD一気鑑賞は、当たり外れの落差が大きかったですがこれはヒット。隠れファンがけっこういそうな映画です。何よりも、映画そのものが映画へのオマージュで、これが楽しいです。

映画は2つのストーリーから成り立っています。ひとつは、殺し屋"毒舌ジム"(ティム・アレン)と詐欺師フィンチ(クリスチャン・スレーター)のストーリー。ジムはフィンチを捕まえてホテルに監禁します。部屋のTVには『大脱走』の1シーン。この殺し屋、根っからの映画ファンで、

最近の映画は小手先のごまかしだけ、オープニングで客を引きつけその後派手にぶちかまし、ごまかしで終わってしまう。昔の映画はいい、きちんとしたストーリーがある。

とかなんとか昨今の映画批判をひとくさり。これを聞いてフィンチが、俺にもドラマがあると言い出し、“90分の間にそのドラマを話せ、面白かったら命を助けてやる”ということになります。このジムとフィンチの掛け合いが面白いです。フィンチの話す体験談を映画に見立て、ジムは映画のセリフで合いの手を入れます。

不正行為という古い手を使って、きっと誰かが事件をもみ消す。1940年“レベッカ”
確率と結果の問題だよ、死にそうなのと死んだのは違うんだ。1978年“天国からきたチャンピオン”

タイトルと公開の年まで入れてくれます。

 もうひとつがフィンチの回想物語、こちらが映画の本筋です。フィンチは刑務所で奇術師マイコー(リチャード・ドレイファス)と知り合い、彼が隠したダイヤを手に入れるためにふたりで脱獄します。
 ストーリーにマイコーの娘が加わり、ダイヤ回収作戦はロマンスの味付けの効いたちょっと洒落た展開をみせます。

 この映画のミソは、殺し屋"毒舌ジム"がフィンチの回想物語を現実の世界で映画に仕立ててしまうことでしょう。ジムはフィンチの物語が映画らしい結末を持っていないことに不満を持ち、自らエンディングを用意し幕を引きます。

"毒舌ジム"の用意したエンディングです、
君はぼくのものだ(男) 人は所有できないわ(女) 出来るよ(男) 1961年“ティファニーで朝食を”
 ヘップパーンとジョージ・ペパードの雨の中のキスシーン(『テファニーで朝食を』のラストシーン)で幕を開けた『クライム&ダイヤモンド』は、見事『テファニーで朝食を』で幕を閉じます。もうひとつのオマケも付きます。
 映画好きによる映画好きのための映画。面白いです、お薦め。

PDVD_012.jpg ←オマケ

 フィンチを演じるのが『薔薇の名前』のアドソ、クリスチャン・スレータ。奇術師マイコーはスピルヴァーグの『ジョーズ』『未知との遭遇』のリチャード・ドレイファス。"毒舌ジム"のティム・アレンはよく知りませんが、『トイ・ストーリー』などアニメの声優のようです。

監督:クリス・バー・ヴェル
出演:クリスチャン・スレーター ティム・アレン ポーシャ・デ・ロッシ リチャード・ドレイファス


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