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映画 クィーン(2006英仏伊) [日記(2011)]

クィーン<スペシャルエディション> [DVD]
 ダイアナ妃の事故死からウェストミンスター寺院での盛大な葬儀までの1週間を、エリザベス女王とブレア首相を軸に描いた政治ドラマ、王室内幕ドラマです。エリザベス女王ブレア首相は当然、女王の夫君フィリップ殿下、チャールズ皇太子、女王の母君エリザベス皇太后まで登場して肉声でしゃべり、カメラは女王の寝室まで入るという、ちょっと日本では考えられない映画です。皇太子が人妻と不倫して離婚するほどの(ダイアナ妃の事故死も暗殺とか言われてますが)、『開かれた王室』と言われる英国ならではの映画です。

 1997年8月31日にダイアナ妃は事故死します。その報を別荘バルモラル城で受けたエリザベス女王は、これについて声名も出さずロンドンに帰ることもなかったため、マスコミに叩かれ、王室存在意義が話題となる危機を迎えます。結局、エリザベス女王はブレア首相の要請でロンドンに帰り9月6日の葬儀にも参列し、王室と国民の関係は沈静化します。映画は、この危機?の1週間を、バルモラル城のエリザベス女王を始めとする王室各人の動きと、ダウニング街10番地の英国政府をリアルに描いたドラマです。

 一般的には、チャールズ皇太子はダイアナと結婚したにもかかわらず人妻との不倫が止まず、それが原因でダイアナも男遊びが始まり離婚に発展したということになっています。ダイアナは王室の権威を傷つけたとして、ロイヤルファミリーは日頃から苦々しく思っているわけで、挙げ句の果てにパリでボーイフレンドと交通事故を起こして亡くなってしまったわけですから、エリザベス女王は頭を抱えたことでしょう。人気の高いダイアナの事故死を英国国民には悲劇と捉えられ、その悲劇に沈黙を守る王室が非難するんですが、ちょっと違うんでは。日本で言うところの『判官贔屓』で、行き場のない感情が沈黙を守る王室非難へと向かったのでしょう。
 ここからが映画のテーマで、この理不尽な国民感情を前に、エリザベス女王の(英国民に対する)失意と大人の対応が描かれます。在位40年、『君臨すれども統治せず』のヴィクトリア朝の伝統と権威でしょう。

 普通見ることのできない英国王室が、さもありなんという具合に描かれていて興味深い映画です。

 ヘレン・ミレンという女優さんは初めて見ましたが、この伝統と権威と、生身の人間である女王を見事な貫禄で演じています。フィリップ殿下は、先日見た『ヒマラヤ杉に降る雪』の判事さんです。

監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ヘレン・ミレン マイケル・シーン ジェームズ・クロムウェル

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