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映画 ミラーズ・クロッシング(1990米) [日記(2011)]

ミラーズ・クロッシング (スペシャル・エディション) [DVD]
 禁酒法の時代、街を牛耳るアイルランド・マフィアと新興勢力イタリア・マフィアの抗争を背景に、一匹狼トム・レーガンの愛と友情と裏切りの物語、とでも言えばいいのでしょうか。
 ストーリーはいたってシンプル。

レオ(アルバート・フィニー):アイルランド・マフィアのボス。影の市長、警察署長。
キャスパー(ジョン・ポリト):力を付けてきたイタリア・マフィアのボス。
トム(ガブリエル・バーン):この映画の主人公。レオのブレイン。一応レオの組織に属しているが心情は一匹狼のインテリヤクザ。ヴァーナを密かに慕っている。
ヴァーナ(マーシャ・ゲイ・ハーデン):レオの情婦、情奔放。

 主な登場人物はこの4人です。レオvs.キャスパーの対立の構図にトムとヴァーナがチャチャを入れてストーリーが進行します。

 八百長賭博をノミ屋のバーニーによって邪魔されたキャスパーは、バーニーを庇護しているレオに処分を要求します。バーニーは情婦ヴァーナの弟である関係でこれを拒否、ふたつの組織の対立が先鋭化します。レオの懐刀であるトムは、全面戦争を避けるためにバーニーの処分を進言しますがレオは聞き入れません。一方、レオはヴァーナと関係を深めますが、ボスの女に手を出したわけですから無事には済みません。レオに叩き出されたトムは、何と商売敵のキャスパーに寝返ります、オイオイ・・・ちょっと展開が読めませんが、これがオチの伏線となっています。

 この映画の魅力は、ストーリー展開よりこの4人の魅力です。脚本もコーエン兄弟ですから、気の利いた会話が想像されます(英語だから分からない)。
 
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トム ⇒クールで頭の切れるインテリ・ヤクザ。寡黙だが口を開けば皮肉しか言えず、ヴァーナにも素直に好きだと言えない複雑な性格です。ギャンブルは弱そうで、6週間競馬に負け続けノミ屋に多額の借金があり、借金取りにボコボコのされたりしています。ハッタリには強いが、喧嘩は弱そうで、拳銃を持って駆け出したのはいいが、足をかけられてひっくり返えされて相手を取り逃がすドジ振り(レオにも同じシーンがありますが、こっちは成功)。レオの信頼が篤いにも関わらずレオの女にちょっかいを出したり、大胆なのか気が小さいのか、カッコイイんだかドジなんだか分かりません。ギャング映画の主人公にしては珍しいキャラクターです。
 
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レオ ⇒市長、警察署長を取り込み、街を実質支配する実力派ギャング。トムをぶちのめす腕っ節の強さ、機関銃を持って襲ってきたキャスパーの手下を返り討ちにする実力の持ち主。奔放なヴァーナの魅力に囚われ結婚まで考える純情な面もあります。トムを重用してきたが、ヴァーナをめぐって決裂しトムを叩き出します。
 
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キャスパー ⇒冒頭からヘンな理屈をこねます。曰く、人間に大事なものは友情と人格と倫理だ、人間と獣の差は倫理の有り無しだ。ノミ屋のバーニーはこの倫理観が無い →よって殺せ!。唯我独尊で思い込みの激しい性格。1代で会社を築き上げた中小企業の社長タイプ。この性格のため最後は墓穴を掘ります。
 
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ヴァーナ ⇒弟を守るためレオの情婦となっているが、トムとも情けを通じている奔放な女性。ヴァーナこそが「ミラーズ・クロッシング」そのもので、トムとレオはヴァーナという十字路(クロッシング)で別れそれぞれの人生を歩み出した。

 ガブリエル・バーンはなじみが無いのですが「ユージュアル・サスペクツ」に出ていました。個性的なマスクのマーシャ・ゲイ・ハーデンは、「ミスト」で人々を狂気に引き込んでゆく伝道士が印象的でしたが、若い頃はきれいだったんですねぇ。本作でも演技派の片鱗がうかがえます。アルバート・フィニーは、なんといっても「オリエント急行殺人事件」のポアロです。アヌーク・エーメの元旦那です、関係ないですが。ジョン・ポリトはちょっと分かりません。

で、お薦めかというと、「ノーカントリー」のインパクトあまりにも大きいので、コーエン兄弟のファンでもないしなんとも言えません。毛色の変わったギャング映画、帽子大好き映画ファンにはお薦め。
 
監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン
出演:ガブリエル・バーン マーシャ・ゲイ・ハーデン  アルバート・フィニー  ジョン・ポリト

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