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映画 ヒート(1995米) [日記(2012)]

ヒート プレミアム・エディション [DVD]
 警察 V.S. ギャングのアクションものですが、アクションよりもアル・パチーノとロバート・デ・ニーロの競演ということに意味があります。このふたりは「ゴッドファーザーⅡ」で競演していますが、ロバート・デ・ニーロは回想シーンで登場しますから、ふたり並んで競演したことにはなりません。「ヒート」では、向かい合って「競演」するわけで、当代随一の演技派と言われるふたりが文字通り競うわけです。

 ロス市警の刑事ハナにアル・パチーノ、ギャングのボスにロバート・デ・ニーロ、このふたりが男と男、知力と体力を傾け戦います。ギャングと云っても、ゴッドファーザーの様な組織暴力、マフィアではなく、チームを組んで強奪を働く強行派のリーダーを演じます。
 デ・ニーロの仲間にヴァル・キルマー(トップガンのアイスマン)、トム・サイズモア(プライベート・ライアンの軍曹)、ジョン・ヴォイト(真夜中のカーボーイ)とギャング勢には豪華キャストを揃えています。
 大物ふたりを迎えた監督・脚本のマイケル・マンは、アッチを立てればコッチが立たずで苦労したと思います。ロス市警にも実力派の俳優を出せと言うアル・パチーノに、マイケル・マンは、代わりにダイアン・ヴェノーラ(ジャッカル)とのラブシーンを用意しますと言い、最後は俺を殺すのかと言うデ・ニーロには、若い子(エイミー・ブレネマン)を付けますと言うわけはないでしょうが、キャストにも監督の苦労がしのばれます(笑。
 主役がふたりが敵味方に分かれるストーリーは、なるほど難しいです。この映画の見どころは、両雄を立てながら際どいバランスの上で成り立っているマイケル・マンの気遣いでしょう。
 
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気遣い(1)
 アル・パチーノとデ・ニーロが、お互いに敵同士と分かりながらコーヒーを飲むシーン用意します(あり得ない)。そこでふたりは、お互いが同じ種類の人間であることを確認し合いますが、よく見る夢の話なんかして、刑事と犯罪者でなかったらいい友達になれたのにみたいな雰囲気で、笑ってしまいます。

気遣い(2)
 キャストを見ると、映画はデ・ニーロの犯罪に時間を割いています。アル・パチーノは、デ・ニーロを追いかけるだけでは味気ないので、家庭問題を持ち込んでその人物像を描き込んでいます。仕事熱心で離婚歴2回、3人目の妻とも離婚寸前、義理の娘は問題児という設定。この義理の娘を演じるのが、何とナタリー・ポートマン。1994年に「レオン」でデビューした翌年ですから、未だこの程度の端役です。そんなことはどうでもいいんですが、仕事に入れあげるあまりに奥さんに浮気され、義理の娘は自殺を図り...腕利きのロス市警の刑事も、実生活は大変という描き様です。

気遣い(3)
 この映画の最大の見せ場は、デ・ニーロがやる銀行強盗です。1300万ドルを奪うにしては、こんなセキュリティーの甘い銀行あるわけは無い、という詰めの甘い脚本でが、見せ場は奪ってからの逃走劇。密告によってデ・ニーロ達が銀行を出る間際にアル・パチーノが到着、ギャングv.s.警察の壮絶な銃撃戦となります。機関銃が登場して、銃撃戦というより市街戦です。警官がバタバタ撃たれ、カメラはギャング目線。トム・サイズモアは撃ち殺され、ヴァル・キルマーは重傷を負ってデ・ニーロに助けられて逃亡に成功します。主役は完全にデ・ニーロ。

 アル・パチーノとデ・ニーロが、どうだカッコイイだろうと演技しますから、まぁ面白いです。ヴァル・キルマーもトム・サイズモアも悪くないですが、ジョン・ヴォイトだけは扱いが中途半端。ふたりに気を遣い過ぎ、銀行強盗や密告など詰めの甘いところもありますが、まぁよしとしましょう。

監督:マイケル・マン
出演:アル・パチーノ ロバート・デ・ニーロ ヴァル・キルマー ジョン・ヴォイト トム・サイズモア


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