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映画 ポセイドン・アドベンチャー(1972米) [日記(2012)]

ポセイドン・アドベンチャー [DVD]
 2006年にリメイクの「ポセイドン」が造られましたが、こちらが元祖「ポセイドン・アドベンチャー」です。CGの無い時代ですからセットでの実写で今風の迫力には欠けますが、代わりにジーン・ハックマンやアーネスト・ホーグナインなどのベテラン俳優が見せる人間ドラマがあります。ん十年振りに見ましたが、今でも十分楽しめます。リメイク版より面白いです。
 巨大津波によって転覆した巨大客船を舞台に、生き残った9人がスコット牧師(ジーン・ハックマン)に率いられ自らの手で運命を切り開く物語です。

 この「自らの手で運命を切り開く」というのがこの映画のメインテーマですね。ポセイドンが転覆して多くの人が生き残りますが、大半の人々はパーサーの意見に従い助けを待ってその場に残ります。一方、スコット牧師を始めとしする10人は大多数の人々と袂を分かち「自らの手で運命を切り開く」道を選択します。ポセイドンは船腹を上に上下逆さまの状態にありますから、船腹で鋼鈑の一番薄いプロペラ・シャフト付近にたどり着けば救出される可能性が高いことが分かり、10人はプロペラシャフトに向けてアドベンチャーを開始します。

 この10人の個性そのものが、「ポセイドン・アドベンチャー」の面白さです。

スコット牧師(ジーン・ハックマン):どうも独自の宗教観が災いしてアフリカか何処かの教区に飛ばされる途上の様です。スコットは、信仰や祈りを説かずに、人間の意思が救いをもたらすと考える異端の牧師です。この船には専属の牧師が乗っています。この牧師は残された乗客とともに救助を待つという選択をしますが、スコットは自分の賛同者を引きつれ運命を切り開こうとします。なんとなく、カナンの地を目指すモーゼみたいです。
 
ロビン:子どもの乗客。船内をくまなく探検し船の構造に詳しい。プロペラ・シャフト付近の鋼鈑が一番薄いことを知っていて、その意見をもとにアドベンチャーが始まる。
スーザン:ロビンの姉。クリスマス休暇に親戚を訪ねる途上に事故に遭う。スコット牧師に信頼を寄せている。
 
ロゴ(アーネスト・ボーグナイン):刑事。新婚旅行の途上でこの事故に遭遇、スコットグループのNO.2。ことある毎にスコットと反目するが、スコットに云わせると「性格が似ている」。
リンダ:ロゴの妻。ロゴに6度も逮捕された元娼婦。ロゴに云わせると「愛しているから逮捕した」。
 
ローゼン:妻と共に孫に会いに行く途上事故に遭う。
ローゼン夫人:太めで敏捷性に欠けるオバサン。生き延びて孫に会うためにスコット一行に加わる。元水泳選手でスコットを救助する。
 
マーティン:歌手のノニーを助けて脱出をなしとげる。
ノニー:歌手、兄を事故で失うというショックから立ち直れない。マーティンに助けられ何とかついて行く。
エイカーズ:ポセイドンの乗組員。船内知識でスコットを助ける。

 特にアーネスト・ボーグナイン演じるロゴの個性が際だっています。刑事で、自ら逮捕した娼婦のリンダと結婚し新婚旅行中です。船長のテーブルに招待されますが、昔の客に会うことを恐れて躊躇するリンダに向かって、「お前は今では俺の妻だ!」まことに頼もしい一言。何かに付けスコットと意見を異にしますが、結局はスコットを助け一行をプロペラシャフトまで導きます。この脱出行で最愛のリンダを失います。
 ローゼン夫人も面白いキャラクターです。太っていて動作が鈍く一行の足手まといになりますが、元水泳選手で潜水の特技を生かし水中で窮地に陥ったスコットを助け、このアドベンチャーを大きく前進させる働きをします。スコットを救助した後に心臓麻痺で亡くなります。
 エイカーズを含めリンダ、エイカーズ夫人と10人のうち3人が亡くなっています。あと一歩でプロペラシャフトにたどり着くというところで、水蒸気が噴出して7人の行く手を阻みます...。
 ここまでで、エイカーズ、ローゼン夫人、リンダの3人が命を落としています。「神よ、まだ生贄が足りないのか!」と、この異端の牧師は我が身を犠牲にして6人を救います。いやぁアメリカ人好みのストーリーですね。

監督:ロナルド・ニーム
出演:ジーン・ハックマン アーネスト・ボーグナイン

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コメント 2

サンフランシスコ人

40年位前に見ました....映画好みの作品でした....
by サンフランシスコ人 (2018-12-17 06:03) 

べっちゃん

「モーニング・アフター」、けっこう流行りましたね。リメイクもありますが、これはつまらないです。
by べっちゃん (2018-12-17 07:53) 

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