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梅原 猛 日本学事始 [日記(2012)]

2012-03-13 19.53.34.jpg
 
 梅原猛は、1970年頃京都で講演を聴いたことがあります。年譜を見ると、1970年に立命館を辞め1972年に「隠された十字架」が出版されていますから、ちょうど梅原日本学の胎動期の頃だったかも知れません。
 
 40年前のことですから最早忘却の彼方ですが、ひとつだけ覚えているのは、北野や太宰府の天満宮は、菅原道真の怨霊を封じ込めた神社だという話です。道真は藤原氏によって太宰府に流され失意の内に亡くなってますが、その後怨霊となって御所に祟っています。この道真の怨霊を鎮め、怨霊が現れて祟ることを防ぐ「蓋」の役目をするのが天満宮だというのです。たまた梅原日本学の入門書の様なものを見つけたので読んでみました。


 「事始め」ですから本格的な論考は無く、「入り口」を対談や講演、エッセイの形で語った肩の凝らない本です。冒頭「日本学事始」の上山春平との対談は、後の文化勲章受章者と文化功労者の熱い対談で悪く云えば大風呂敷、なかなか面白いです。以下

日本の古代学
怨霊と鎮魂の思想
日本学の方法の問題
古代日本とアイヌ
提論後記
聖徳太子の虚像と実像

と都合7編が集められています。梅原日本学の骨格である、

稗田阿礼=藤原不比等ペンネーム説 (神々の流竄)
法隆寺=鎮魂寺説、聖徳太子=怨霊説 (隠された十字架 法隆寺論)
柿本人麿=流人水死説 (水底の歌 柿本人麿論)

が要領よくまとめられています。
 
 こういうトンデモナイ話は大好きですから、この3冊を読んでみようと思うのですが、私に杜撰な脳みそでは、すべてを「怨霊に蓋」理論にしてしまいそうです。
 
神々の流竄 (集英社文庫)隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)水底の歌―柿本人麿論 (上) (新潮文庫)水底の歌―柿本人麿論 (下) (新潮文庫)
タグ:読書
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