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映画 ミッション:8ミニッツ(2011米) [日記(2012)]

ミッション:8ミニッツ [DVD]
 原題はSource Code。無理矢理ジャンル分けするとSFサスペンスということになるんでしょうね。「バタフライ・エフェクト」と少し似たところがありますから、その手の映画の苦手な人はよく見ていないと「何だ何だ」と消化不良で終わってしまいかねません。
 人間の脳は死後しばらくは生き続け、死の直近8分間の記憶を保持しているということが前提となっていますが、脳死と肉体的な死とはどう違うんだ云々などと突っ込むとこの映画は楽しめません。

 イラクに駐屯するヘリのパイロット、コルター(ジェイク・ジレンホール)は、列車の中で目覚めます。気がついたらここはイラクではなくてシカゴへ向かう通勤列車の中、しかも自分自身はコルターではなく高校の歴史の教師ショーンだったというのですからパニックに陥ります。恐る恐る手洗いの鏡に自分を映してみるんですが、そこに映っているのは見知らぬ男性。Oh、カフカの「変身」ではないですか。この幕開けはなかなか鮮やかで、一気にストーリーに引きこまれます。なんだなんだ、と云うわけです。

 コルターが次に目覚めるたのはカプセルの中。グッドウィン(ヴェラ・ファーミガ)という女性が登場するモニターで外部と繋がっていて、コルターの任務が明らかになります。実は、通勤列車はテロリストに爆破され、次のテロを阻止するためにテロリストを割り出す任務がコルター与えられます。コルターは、爆破される通勤列車に乗っていた教師ショーンに転送されたわけです。列車爆破は既に起こった事件ですから、コルターは過去にタイムトラベルすることになります。脳が記憶を保持できる時間は8分間だという制約がありますから、コルターがショーンの脳にとどまれる時間は8分間だけです。 8分間だけのタイムトラベルです。
 プログラムを再生する様にこの8分間は何度でも再現でき、8分が過ぎるとコルターの意識はカプセルに戻ってきます。つまり、コルターは過去の8分間とカプセルの中でしか存在していないわけで、これに気づいたコルターは自分の存在に疑問を持つわけです、「オレは生きているのか?」。と云うのがストーリーの骨格です。後は見てのお楽しみなんですが、この映画の面白さを伝えるためにはどうしてもネタバレを書かないとどうしようもないので、以下ネタバレです、

 テロリストを探り出すために、コルターは通勤列車の8分間にタイムトラベルしますが、回数を重ねる度に要領が分かり、新たな行動を採るわけです。例えば、向かいの席の女性クリスティーナ(ミシェル・モナハン)と爆発地点のシカゴの一つ手前の駅で降りたりしますが、これは過去を変えることとなり「タイムトラベル」のタブーだった筈です。何度も8分間を体験する間に、コルターはそれぞれの8分間の世界がパラレルワールドだと云うことに気づくわけです。おまけに、コルターは自分が意識だけの存在で肉体的には殆ど死んでいることをグッドウィンから知らされています。
 帰るべき肉体があるから、8分が過ぎるとカプセルに舞い戻るわけで、肉体がなければショーンに侵入した意識は、パラレルワールドでショーンとして生き続けることが出来るはずだとコルターは考えるわけです。かくして、コルターは列車爆破事故を未然に防いで事故が無かった世界を作り、グッドウィルに依頼して元の世界にいる自分の生命維持装置のスイッチを切ります。コルターは列車爆破テロを防ぎ、そのパラレルワールドの世界でショーンの肉体の中で生きてゆきます。
 
 突っ込めばいろいろあるのですが、 こっちの世界で死んだコルターは、パラレルワールドでクリスティーナと幸せに暮らしたということで、よしとしましょう。

監督 ダンカン・ジョーンズ
出演:ジェイク・ジレンホール ミシェル・モナハン ヴェラ・ファーミガ

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