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映画 ドニー・ダーコ(2001米) [日記(2012)]

ドニー・ダーコ [DVD]
 一度見ただけでは理解できない映画があります。映画の表現の問題か、見る方の私の感受性の問題か分かりませんが、この『ドニー・ダーゴ』も結局2回見ました。結論 →2回見ても分からない!
 深夜、自分を呼ぶ声に誘われて高校生ドニー(ジェイク・ジレンホール)が家を出ると、そこには奇怪な銀色のウサギがいます。不思議の国のアリス?。銀色ウサギはドニーに、あと28日と6時間と42分と12秒で世界は滅びると告げます。終末ものか?。
 ドニーが自宅に帰ると、飛行機のジェットエンジンがドニーの部屋を直撃しており、ドニーは銀色ウサギによって九死に一生を得たこととなります。そして世界の終末に向けてカウントダウンが始まります。『ドニー・ダーゴ』はこの28日と6時間と42分と12秒のドニーと彼が迎えた終末を描く映画です。 

 ドニーは精神科医(キャサリン・ロス)から催眠療法を受けている情緒不安定な少年(高校生)で、逮捕歴まであることが分かっています。ドニーが見る銀色のウサギもどうやら彼が生み出した妄想のようで、銀色のウサギはドニーを唆して非行?に走らせています。銀色のウサギがドニーの妄想ということは、自分の行動をこのウサギのせいにしているわけです。
 この年齢にある情緒不安定をドニーという高校生で象徴させているのでしょう。現実とうまく折り合えないドニーはその代償行為として奇矯な行動に走ったものと思われます。水道を壊して高校を水浸しにしたり、ブロンズ像に斧を打ち込んだり、偽善的なセラピストの自宅に放火するといった行為もその現れです。 
 「恐怖克服セラピー」という胡散臭い授業が出てきます。現実を善悪の二元論で論じる教師に向かって、ドニーは「人間の行動というものはそんなに簡単に色分けできるものではない」みたいなことをドニーに言っています。ドニーという少年は、ナイーブな精神を現実に適応させることが苦手な少年として描かれています。
 
vlcsnap-2012-07-28-20h14m51s161.jpg ← 銀色ウサギ
 
 「28日と6時間と42分と12秒で世界は滅びる」と知って、ドニーは残りの時間を有効に使おうとか、やりたいことをやろうとか、自暴自棄になると云ったこともありません。ドニーに起こった変化と云うと、美人の転校生グレッチェン(ジェナ・マローン)と知り合ったことです。グレッチェッンは、母親の再婚相手DVから逃れるためにこの街に引越し、転校したようです。グレッチェンは過去に戻って辛い時間を楽しい時間と交換できたら、とか言ってます。
 それに触発されたように、ドニーはタイムトラベルを研究しだします。思わぬ事故によってグレッチェンが死に、ドニーは彼女を轢き殺した運転手を射殺します。(たぶんここでヒラメイたと思うのですが)タイムトラベルのためには、時空に空いた"穴"と金属製の乗り物が必要だといういう物理の教師のヒントから、ドニーは銀色ウサギの宣告した28日と6時間と42分と12秒後のその時に時空に穴が空き、金属製の乗り物が出現してライムトラベルが可能だと気がつきます。タイムマシンで過去に戻り、グレッチェンを助けたいと思ったのです。
 まさにその28日と6時間と42分と12秒後、ドニーは10月2日の過去にタイム・トラベルし、落下したジェットエンジンの下敷きになって死にます。銀色ウサギが言った「世界は滅びる」とは、ドニーの世界が滅びる(死ぬ)という意味だったわけです。ドニーは教師の「時空に空いた"穴"と金属製の乗り物」という言葉から、世界の滅亡とは、10月2日にタイムトラベルして自分が死ぬことを予想していた節があります。28日と6時間と42分と12秒後、ベッドに横たわりタイムトラベルに向かうドニーは晴ればれと笑顔を見せます。我が身を犠牲にしてグレッチェンを助けたわけです。

 と云うことでいいのかどうか。この映画はカルト的な人気があるらしいです。だれでも、あの時こうしておれば良かった、そうしなければよかったという思いがひとつやふたつありますね。過去に戻ってやり直すことはできないわけで、そうした見る側の思いとドニーの青春が重なったところに、この映画の人気があるのかも知れません。SFというよりも青春映画ですね。 
 『ドニー・ダーゴ2』もあるらしいですが、見るのは止めます。
 
 『卒業』『明日に向かって撃て!』のキャサリン・ロスが出演しています、懐かしいです。

監督:リチャード・ケリー
出演:ジェイク・ジレンホール ジェナ・マローン キャサリン・ロス

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コメント 2

k_iga

私も2回観ました。
彼女を救うことが出来たし、私もSFというより青春映画だと
思っています。
ジェイク・ジレンホールは結構、良作に出演していますね。
by k_iga (2012-08-31 11:13) 

べっちゃん

『ある日どこかで』、『バタフライエフェクト』など、この手のタイムトラベルものはカルト的な支持者が結構多いと聞きます。そう言えば同じジェイク・じれんホールの『8ミニッツ』もパラレル・ワールドでこの部類に入りますね。
by べっちゃん (2012-08-31 12:30) 

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