BSシネマ 死刑台のエレベーター(1958仏) [日記(2012)]
有名なサスペンス映画です。ささいなほころびがトリガーとなって完全犯罪が崩れてゆくよくあるパターンですが、そこはフランス映画、ヒネリも利いて映像もシャレています。
一言で言ってしまえば、不倫の果ての殺人です。映画は、 ジャンヌ・モロー(フロランス・カララ )とモーリス・ロネ(ジュリアン・タベルニエ)が"Je t'aime"と電話でささやき合い"7時半?に店の前で待っている"、"車で迎えにゆく"、というシーンからスタートします。徐々に明らかとなってきますが、フロランスの夫はジュリアンが勤める会社の社長。この社長が武器商人で、ジュリアンは元アルジェリア、インドシナ戦争の英雄という設定です。ジュリアンは拳銃、スパイカメラ持参で、どうも政府から機密情報を盗んで会社に貢献しているスパイという設定です。物語がそっちに行くのかと思ったのですが、今回は「不倫の果ての殺人」。カララ夫人フロランスがジュリアンに夫殺しを依頼します、と云うかふたり合意の上で邪魔な夫殺しを企んだというのが実情でしょう。
アリバイ作りのため、ジュリアンは自室からロープを使って社長室に回り込み暗殺を果たします。社長室をロックし密室殺人を終え、フロランスの元に急ぎます。ジュリアンは駐車違反の常習犯で、いつも車を花屋の前に路上駐車しています。好事魔多しで、車に戻った途端、侵入に使ったロープを外し忘れていることに気が付き会社に引き返します。これがすべての躓きのもと。慌てていたので、拳銃とカメラの入ったコートを車に置いたまま、キーを挿したまま会社に引っ返してしまいます。ここからです、物語が動き出し面白くなるのは。
会社に帰りエレベーターに乗って自分のオフィスに向かう途中、エレベーターが止まってしまいます。誰もいなくなった事を確かめた警備員が電源を落としたわけです。おまけに今日は土曜日、ジュリアンは月曜朝までエレベーターに閉じ込められることとなります。この頃は非常用の電話が備えられていなかんですねぇ。
これれだけなら月曜の朝に何食わぬ顔で出勤を装えば何とかなりそうですが、路上駐車が第二の躓きのもと。おまけにジュリアンの車は幌付きのオープンカー。幌をたたんで、キーを挿した車が路上に放り出してあるのですから、盗ってくれと言わんばかり。花屋の若い女店員をデートに誘いに来た若者が、これ幸いとジュリアンの車でデートに出かけます。車に置き去りにされたジュリアンのコートの中には拳銃とカメラが入っています。このふたりですが、気分はもうボニーとクライド。
かたや、ジュリアンにデートをすっぽかされたフロランスです。ジュリアンを探して雨のパリをさまよいますが、フロランスの慕情が切々と伝わって来ます。それにして、当時のヨーロッパの女優さんは気品があっていいですね。
ジュリアンがエレベーターに閉じ込められている間に、ジュリアンの車と拳銃を使いベロニクとルイが新たな犯罪を引き起こします。当然にジュリアンが容疑者となり、果たしてフロランスはジュリアンと会えるのか?ジュリアンの運命や如何に?です。
監督:ルイ・マル
音楽:マイルス・デイヴィス
出演:モーリス・ロネ ジャンヌ・モロー リノ・ヴァンチュラ
タグ:BSシネマ
2012-09-28 00:00
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