BSシネマ この愛のために撃て(2010仏) [日記(2012)]
原題“À bout portant”。直訳すれば“終わりとともに”?どう訳すのか分かりませんが、少なくとも『この愛のために撃て』とはなりません。『明日に向かって撃て』の柳の下のドジョウのようなタイトルで、芸がないですね。タイトルはセンスに欠けますが、中身はアクションありサスペンスありでけっこう楽しめます。
妻を誘拐された男が、その救出に身体を張るというiいかにもありそうな物語で、シュワルツネッガーやリーアム・ニーソンで似たような映画があったような...。
看護助手のサミュエル(ジル・ルルーシュ)の身重の奥さんナディア(エレナ・アナヤ)が誘拐されます。奥さんを解放してほしかったら、入院患者を誘拐しろというもの。この入院患者サルテ(ロシュディ・ゼム)というのが実は名うての犯罪者で、殺人容疑で指名手配中というとんでもない男。
愛妻には代えられませんから、サミュエルはサルテを連れ出しますが、病院の外で待っていたのはサルテを殺そうというふたり組。サミュエルは、犯罪組織の抗争に巻き込まれ、おまけに殺人犯の逃亡幇助で警察からも追われることとなります。
これには伏線があって、サルテ逮捕のために警察のふたつの組織が動いています。このふたつの組織がサルテの隠れ家で鉢合わせ。合同でサルテ逮捕となると思ったら、一方の組織の刑事が他方の組織の刑事を撃ち殺すというとんでもない事態に発展します。拳銃にサミュエルの指紋を付けて警官殺しの罪を着せます。エッという展開です。
この映画の面白いところは、サミュエルを警官殺しの罪に陥れた人物がまた、実はサルテをも殺人犯に仕立てていたと云うプロットです。ふたりとも陥れられたわけです。誘拐された奥さんを取り戻し、警官殺しの罪を晴らすために奮闘するサミュエルは当然に物語のヒーローです。最初はサミュエルの敵として登場したサルテが、サミュエルと共に共通の敵に当たることで、何時の間にか第二のヒーローになってしまいます。映画の進行とともに、サルテの凶相がだんだん頼もしく見えてくるから不思議です。最後にふたりは虎穴に突入するんですが、この虎穴というのが何と警察署...。
邦題は☓ですがなかなか面白い映画でお薦めです。この映画が気に入ったら、ロシュディ・ゼムも出演している『あるいは裏切りという名の犬』を是非見て下さい。こちらも面白いです。
監督:フレッド・カヴァイエ
出演:ジル・ルルーシュ ロシュディ・ゼム ジェラール・ランヴァン エレナ・アナヤ
タグ:BSシネマ
2012-11-29 11:14
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